こんにちは!
ビジネスにおいて、データの活用がますます重要視されています。
しかし、その適切な活用方法を理解し、実践するのは簡単ではありません。
多くの方が、収集したデータを取り扱う際に、「集計」と「分析」を同じものとして考えていたり、違いを良く分からないまま実施していたりします。
実際には、集計と分析は違う役割を持っており、それぞれに価値があるもの。
多くのデータを収集してはいるものの、その活用方法や重要性を理解できず、分析しているつもりが集計しているだけで終わっているなど、時間とお金を掛けてデータを集めたのに何も分からない!となっている方ほど、この記事を参考にしていただければと思います。
今回は、「データの活用における分析と集計の違い」に焦点を当て、その意味や実際の利用方法について話していきます。
データ活用の重要性と分析と集計の役割の違い
はじめに、今のビジネスではデータの活用がとても重要になっています。
スマートフォンやSNSの登場により、一般消費者のデータを簡単に集めることができるようになり、情報は爆発的に増加。
一人ひとりの趣味嗜好は多様化し、収集したデータの活用が事業の成功に直結するようになりました。
そんな重要なデータの活用の中でも、特に分析と集計は大切な要素です。
膨大な情報から洞察を引き出せてこそ競争力を維持・向上できる
お客様の行動や市場の動向などのデータは、事業にとっての貴重な情報をたくさん含んでいます。
しかし、この貴重な「情報」から、事業に関係する洞察を引き出すことができないと、データを活用できているとは言えません。
洞察を引き出すために「集計」と「分析」は情報を整理し、深掘りし、理解するために大切なプロセスなのです。
集まったデータを集計し、分析を行うことでデータから貴重な洞察を引き出し、自社の事業に活用することで、その事業を成長させ、競争力維持することができるのです。
この状態になってはじめて「データを活用できている」と言えるでしょう。
集計は「何が起きているか?」全体像を把握する重要な手段
集計とは、複数のデータを要約し、総計や平均値などの要約結果を算出する手段です。
データは集めただけでは価値がありません。
集計し、そこから見つけられる示唆に価値があります。
集まったデータを誰がみても簡単で分かりやすく、全体像を把握できる状態にするためにもまずは集計することが大切です。
集計するから売れ行きや需要の変化を把握できる
単純に売上額の集計や、利益の集計を思い出してください。
企業が週次の製品売上データを集計し各製品の週間平均売上を計算するのは、単に管理を行うためだけでなく、各製品の売れ行きを把握し需要の変化や商品戦略を組み立てるのに役立てるためです。
大量のデータを集計し、情報を整理・要約することで、全体的な傾向やパターンを把握することができます。
もし集計されたデータがなかったら企業は、
- 来期誰に、何を、どれだけ売れば事業が成長するのか分からない
- どの製品が売れ筋なのかすら分からない
- そもそも今売上がどれくらい上がっているかすら分からない
とてもじゃないですが素早い意思決定や戦略策定などを行うことはできず、事業の成長など夢のまた夢となります。
データの集計はついつい新人などに振ってしまうくらい作業難易度は低いのですが、集計データに間違いがあるとその後の深い分析や意思決定の全てが狂うことになるため、とても重要です。
分析は「なぜそれが起こったか」本質を炙り出す重要な手段
分析とは、集計されたデータから深い洞察を得るための手段です。
分析は、集計したデータを詳細に紐解きデータの本質を理解した後、さまざまな意思決定のために有益な情報を見つけるために行います。
- ここまで集計
ECサイトからの商品の購入数が減っている。→アクセスはあるがCVRが落ちているようだ - ここから分析
CVRが落ちた要因は?→すでに定期で買ってくれるお客様は変わらず買っているが、新規のお客様のCVRが落ちている。どうやら月末のセールを待っているらしい
ここまで見出すことができれば、広告でアクセスを増やしたりECサイトのUIを変更するのではなく、月末のセールを待っているユーザーに、どういうコミュニケーションを取れば先行して動いてくれるか?対策を打てばよいことが分かります。
このようにデータを分析することで、データの中に隠れた意味や、関連性、大きな要因を見つけることができます。
分析は分析する人により洞察の深さが変わる
集計は、集計の方法や図表の見せ方を学ぶことで、ある程度誰でも同じ状態を保つことができます。
一方分析は、データを見る人のこれまでの経験や、知識の深さにより、抽出できる洞察の深度に差が生まれます。
新卒の社会人1年生と何年も会社を経営している経営者では、同じデータを見たときに気づくことは異なります。
そのため、経営の意思判断に使いたいレベルの分析を行うには、分析の方法だけでなく、経営やその会社の状況、業種による差などを理解していることが必要です。
人は、知らないことは視野に入ってきません。
それはデータを紐解いて、示唆を見出す際にも言えることです。
集計されたデータを分析し洞察を見つけたいのであれば、分析方法はもちろん、分析したいテーマに関わる様々なスキル、市場の状況など多くの情報に対する理解を深めることが大切です。
データの集計と分析はリスク管理にも役立つ
データを活用することで、顧客の嗜好を理解し、一人ひとりに応じたサービスの提供を実現したり、市場動向を予測して戦略や戦術の変更ができるようになります。
市場動向を予測できるということは、ビジネスのリスクを最小限に抑えることにも役立ちます。
データを使って市場を分析することなく在庫の計画を立ててしまうと、翌年は全く商品が売れず多くの在庫を抱えて倒産なんて言うことにもなりかねません。
データを適切に集計、分析し活用していくことで、環境の変化に柔軟に対応し、持続的な事業の成長を実現するために不可欠なのです。
まとめ
集計と分析はデータを活用した事業成長の成功の鍵です。
それぞれの役割を理解し、必要に応じて使い分けましょう。
集計は全体像を提示し、ビジネスの大局的な方針やトレンドを示す際に有効です。
一方、分析はデータの深層を掘り下げ、洞察を提供し、戦略的な意思決定を行うのに活用できます。
必要に応じて集計と分析を使い分けることで、データから読み取れる情報を広く、深くすることができ、戦略決定や、やリスク管理、市場の変化への対応などに「データを活用」することができます。
適切なタイミングと目的に応じて集計と分析を使い分け、データ活用のバランスを保ちながら、ビジネスの成長と競争力の強化を目指しましょう。