口コミ対策とは、インターネット上に投稿される自社の商品やサービスに関する評判を管理し、改善する取り組み全般を指します。
具体的には、悪い口コミへの適切な対応や、好意的な口コミを増やすための施策が含まれます。
本記事では、ネガティブな口コミへの具体的な対処方法から、集客につなげるためのポジティブな口コミの増やし方、さらには専門業者を選ぶ際のポイントまで、網羅的に解説します。
口コミがビジネスの評判や集客に与える重要な影響
インターネット上の口コミは、消費者が商品購入やサービス利用を決定する際の重要な判断材料としての役割を担っています。
肯定的な評判は企業の信頼性を高め、新規顧客の獲得に直結する一方で、否定的な評判は売上低下やブランドイメージの毀損という形で深刻な影響を及ぼしかねません。
また、その影響は顧客だけでなく、採用活動にも及びます。
転職希望者が企業を選ぶ際に口コミサイトを確認するのは一般的であり、会社の評判は人材確保の面でも無視できない要素となっています。
> 口コミ評価の重要性とは?レビューを活用して売上を伸ばす方法
ネガティブな口コミへの具体的な対処法4ステップ
ネガティブな口コミを発見した場合、感情的に対応するのではなく、冷静かつ戦略的に対処することが求められます。
顧客の不満を真摯に受け止め、適切な手順を踏むことで、かえって他のユーザーからの信頼を高める機会にもなり得ます。
ここでは、悪い口コミへの具体的な対処方法を4つのステップに分けて解説し、効果的な対応策を提示します。
ステップ1:まずは口コミの内容が事実か客観的に確認する
ネガティブな口コミが投稿された際、最初に行うべきは内容の事実確認です。
感情的に反論するのではなく、まずは書かれている内容が事実に基づいているのかを客観的に調査します。
社内の記録を確認したり、関係した従業員にヒアリングを行ったりして、状況を正確に把握することが不可欠です。
インターネット上の情報は拡散しやすいため、不正確な情報に基づいて対応すると、さらなるトラブルを招く原因となります。
この事実確認のプロセスは、後の返信内容や対応策を決定する上での土台となります。
ステップ2:低評価の口コミには誠実な姿勢で返信する【例文付き】
口コミの内容が事実であった場合はもちろん、事実誤認や誤解に基づく投稿であっても、まずは真摯な姿勢で返信することが重要です。
返信する際は、不快な思いをさせたことへのお詫び、指摘内容の受け止め、今後の改善策の3点を盛り込むのが基本です。
例えば、接客に関する低評価の口コミには、「この度はご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。ご指摘を真摯に受け止め、スタッフ教育を徹底し再発防止に努めます」といった例が挙げられます。
誠実な対応は、投稿者だけでなく他の閲覧者にも良い印象を与えます。
ステップ3:Googleのガイドラインに違反する口コミは削除を申請する
すべての口コミに対応する必要はなく、Googleのコンテンツポリシーに違反しているものは削除を申請できます。
これには、スパムや虚偽の内容、なりすまし、差別的または性的なコンテンツ、個人情報を含む投稿などが該当します。
Googleビジネスプロフィールの管理画面から、対象の口コミを選択し、「違反コンテンツを報告」をクリックすることで申請手続きが可能です。
ただし、単に自社にとって不都合な内容というだけでは削除されないため、Googleの定める具体的なガイドラインを事前に確認しておく必要があります。
ステップ4:誹謗中傷など悪質な場合は弁護士への相談も検討する
事実無根の悪質な書き込みや企業の社会的評価を著しく低下させるような誹謗中傷に対しては、法的な対応も視野に入れるべきです。
特に悪質な投稿が繰り返し行われる場合や業務に支障をきたすレベルの風評被害が発生している場合は、放置するとリスクが拡大します。
弁護士に相談することで、投稿者の特定(発信者情報開示請求)や、損害賠償請求、名誉毀損での刑事告訴といった具体的な法的措置を検討できます。
専門家の助言を得ることで、適切な対応策を講じることが可能になります。
【実践編】良い口コミを自然に増やして集客につなげる5つの方法
良い口コミを増やすには、顧客が自発的に投稿したくなるような環境づくりと、投稿を促すための積極的な働きかけが欠かせません。
満足度の高い体験を提供することを基本としつつ、投稿のハードルを下げる工夫や、適切なタイミングでの依頼が効果的です。
ここでは、良い口コミを自然に増やし、集客力を高めるための具体的な方法を5つ紹介し、口コミ投稿を促進するアプローチを解説します。
方法1:大前提として質の高い商品やサービスを提供する
良い口コミを増やすための最も根本的な方法は、顧客が満足する質の高い商品やサービスを提供することです。
飲食店であれば料理の味や接客、クリニックや歯科医院であれば治療技術やスタッフの対応など、顧客体験のあらゆる側面が評価の対象となります。
期待を上回る価値を提供することで、顧客は自然と好意的な感想を抱き、それを他者と共有したいという動機が生まれます。
小手先のテクニックに頼る前に、まずは自社の提供するサービスの本質的な価値を見直し、向上させ続ける努力が不可欠です。
方法2:QRコードなどを活用し顧客が口コミを投稿しやすい環境を整える
良い体験をしても、口コミを投稿するまでの手間が障壁となるケースは少なくありません。
このハードルを下げるため、二次元コードを活用するのが有効です。
例えば、会計時に渡すレシートや、店内に設置するポップ、サンクスカードなどに口コミ投稿サイトへ直接アクセスできる二次元コードを記載します。
これにより、顧客はスマートフォンで読み取るだけで簡単に投稿ページに移動できます。
このようなツールを導入し、口コミ投稿のプロセスを簡略化することで、投稿数の増加が期待できるでしょう。他のサイトへの誘導も容易になります。
方法3:会計後やサービス提供直後など依頼の最適なタイミングを見極める
顧客に口コミ投稿を依頼する際は、タイミングが非常に重要です。
最も効果的なのは、商品購入やサービス提供直後など、顧客の満足度や感動が最も高まっている瞬間です。
例えば、飲食店であれば会計時、美容室であれば施術が終わった直後などが考えられます。
このタイミングを逃さずに「よろしければ、ご感想をお聞かせください」と丁寧に依頼することで、投稿してもらえる可能性が高まります。
このアプローチのメリットは、ポジティブな感情が新鮮なうちに、具体的な内容の口コミを書いてもらいやすい点にあります。
方法4:SNSやWebサイトで良い口コミを積極的に紹介し活用する
顧客から寄せられた良い口コミは、許可を得た上で自社のSNSアカウントやWebサイトで積極的に紹介しましょう。
これは、第三者からの肯定的な評価をアピールする強力なマーケティングコンテンツとなります。
他の顧客がその投稿を見ることで、「自分も感想を伝えたい」という気持ちが喚起され、新たな口コミ投稿を促進する効果も期待できます。
良い口コミの利用は、自社の強みを客観的な視点から伝え、潜在顧客の信頼を獲得する上で非常に有効な手段です。
方法5:投稿されたすべての口コミに感謝を込めて丁寧に返信する
良い口コミに対しても悪い口コミと同様に丁寧に返信することが重要です。
感謝の気持ちを伝えることで投稿してくれた顧客との良好な関係を築きリピーターになってもらえる可能性が高まります。
「先日はご来店いただきありがとうございました。お褒めの言葉をいただきスタッフ一同大変嬉しく思っております」といった具体的な返信は、投稿者本人だけでなくそのやり取りを見た他のユーザーにも誠実な印象を与え店舗のファンを増やすことにつながります。
これだけはNG!口コミ対策でやってはいけない3つの注意点
口コミ対策を進める上では、ガイドライン違反や法律に抵触する可能性のある行為を避けなければなりません。
短期的な効果を求めて不適切な手段を用いてしまうと、かえって企業の信頼を大きく損なう結果を招きかねないため、細心の注意が必要です。
ここでは、口コミ対策において絶対にやってはいけない代表的な注意点を3つ解説します。
注意点1:自作自演やなりすましによる口コミ投稿(サクラ行為)
自社の従業員や関係者が顧客を装って高評価の口コミを投稿する、いわゆる「サクラ行為」は絶対に行ってはいけません。
これは多くの口コミサイトやプラットフォームで明確に禁止されている行為です。
AmazonなどのECサイトでも厳しく規制されています。
このような自作自演は、発覚した場合にアカウントの停止や、これまでの口コミが全て削除されるなどの厳しいペナルティが課される可能性があります。
何よりもユーザーからの信頼を根本から覆す行為であり、長期的に見てビジネスに深刻なダメージを与えます。
注意点2:割引など見返りを提供して口コミ投稿を依頼する行為
口コミを投稿してくれたら割引しますといったように金品やサービスなどの見返り(インセンティブ)を提供して口コミ投稿を促す行為は多くのプラットフォームで禁止されています。
これは投稿内容の公平性を損なうためです。
また2023年10月から施行されたステルスマーケティング規制(ステマ規制)に抵触する可能性もあります。
ユーザーは金銭的な見返りのために書かれた口コミを求めていません。
このような手法は企業の信頼性を損ない正直な顧客からの評価を得る機会を失うことになります。
注意点3:ネガティブな口コミを完全に無視または放置すること
ネガティブな口コミへの対応は心理的な負担が大きいですが、それを無視または放置することは最も避けるべき対応の一つです。
何も反応がないと、不満を抱いた顧客の感情をさらに害するだけでなく、その口コミを見た他のユーザーからも「顧客対応が不誠実な企業だ」という印象を持たれるリスクがあります。
たとえ厳しい内容であっても、真摯に受け止め、誠実に対応する姿勢を見せることで、他の顧客からの信頼を回復・獲得する機会に変えることも可能です。
自社での対策が難しい場合は専門業者の活用も視野に
口コミの監視や返信、削除申請などの対策には専門的な知識と多くの時間が必要です。
社内のリソースだけで対応するのが難しい場合や、誹謗中傷など深刻な問題に直面している場合は、専門の対策業者に依頼することも有効な選択肢となります。
業者に依頼することで、迅速かつ効果的な対応が期待できますが、業者選びは慎重に行う必要があります。
業者選びのポイント1:対策の目的(風評被害かMEOか)を明確にする
専門業者を選ぶ際は、まず対策の目的を明確にすることが重要です。
目的が、誹謗中傷などネガティブな評判を抑える「風評被害対策」なのか、それともGoogleマップなどで良い口コミを増やして上位表示を目指す「MEO対策」なのかによって、選ぶべき業者の専門性が異なります。
前者は法的な知識を持つ業者が、後者はWebマーケティングに強い業者が適しています。
自社の課題がどちらに近いのかを判断し、その分野に特化した業者を選ぶことで、より効果的なサポートが期待できます。
業者選びのポイント2:自社の業界での実績や専門性を確認する
業者を選ぶ際には、自社が属する業界での対策実績が豊富かどうかを確認しましょう。
業界によって顧客層や口コミの傾向は大きく異なるため、業界特有の事情を理解している業者の方が、的確なアドバイスや効果的な施策を期待できます。
採用面接対策で自社の状況に合わせた準備が求められるのと同様に、口コミ対策も画一的な方法では成果が出にくいものです。
業者の公式サイトで公開されている導入事例を確認したり、直接問い合わせて過去の実績について詳しくヒアリングしたりすることが重要です。
業者選びのポイント3:料金体系が明確で費用対効果が見込めるか検討する
口コミ対策を業者に依頼する場合、料金体系を事前にしっかり確認する必要があります。
料金は、月額固定制や成果報酬制など業者によって様々です。
提示された料金に対して、どのようなサービスがどこまで含まれているのか、具体的な作業内容を詳細に確認しましょう。
複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較検討することで、自社の予算と目的に合った、費用対効果の高い業者を選ぶことができます。
安さだけで選ぶのではなく、提供される価値が見合っているかを慎重に判断することが求められます。
口コミ対策に関するよくある質問
ここでは口コミ対策に関して事業者から寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。
具体的な疑問点を解消し対策を進める上での参考にしてください。
Googleマップの口コミを非表示に設定することはできますか?
店舗側でGoogleマップの口コミをまとめて非表示に設定することはできません。
ただし、Googleのポリシーに違反する名誉毀損や個人情報を含む投稿などは、個別に削除申請を行うことでGoogleに審査を依頼できます。申請が承認されれば、該当の口コミは削除されます。
口コミ対策を業者に依頼する場合の費用相場はどれくらいですか?
対策内容は大きく異なります。
ネガティブな口コミの監視や削除申請代行は月額5〜30万円、Googleマップの口コミを増やすなどのMEO対策を含む場合は月額3〜10万円程度が目安です。
具体的な料金は対策範囲や業者のプランによって変動するため、複数の業者から見積もりを取ることを推奨します。
悪い口コミを書いた投稿者を特定することは可能ですか?
可能です。
ただし、そのためには裁判所を通じた「発信者情報開示請求」という法的な手続きが必要です。
匿名での悪質な誹謗中傷など、権利侵害が明白な場合に認められることが多く、手続きが複雑なため弁護士への相談が不可欠となります。
悪い口コミすべてで特定ができるわけではありません。
まとめ
口コミ対策は、悪い評判への迅速な対応と、良い評判を積極的に増やすという両面からのアプローチが不可欠です。
ネガティブな投稿には誠実に対応し、必要であれば削除申請や専門家への相談という方法を検討します。
同時に、質の高いサービス提供を土台とし、顧客が投稿しやすい環境を整えることで、自然と良い口コミが集まる仕組みを構築することが事業の成長につながります。

