飲食店を開業後に失敗しやすいのはなぜ?失敗した人の共通点とリスクを減らすポイントをご紹介

飲食店を始めたけど失敗したオーナーには共通点があります 分析・改善ノウハウ
飲食店を始めたけど失敗したオーナーには共通点があります

こんにちは!

新しく開業した飲食店のおよそ50%が2年で、70%が3年、80%が5年以内に廃業してしまうと言われています。

なぜそんなに高い確率で廃業してしまうのでしょうか?

飲食店は他の業種と比べると

  • 初期コストが比較的少ない
  • 必要資格は割と簡単に取得することができる
  • 学生時代など若いころにアルバイトで経験がある
  • お客として飲食店を頻繁に利用しているため、ダメなお店のことは理解している

など、参入障壁が低いこともあり俺でも上手くやれるでしょうとノリで始めてしまうことも廃業の確率が高い要因の一つでしょう。

この記事では、これから飲食店を始めようと思っているけどできるだけ失敗する確率を減らしたいという方のために、失敗しないために大切なことは何のか?失敗している人に共通することは何のか?をまとめています。

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(結論)一番大事なのはお金の管理です

お金の出入りは徹底して管理しましょう
お金の出入りは徹底して管理しましょう

飲食店に限らず、経営に失敗する人の中で必ず共通する一番大きな要素は「お金の管理が甘い」ことです。

継続した商売には徹底したキャッシュフローの管理が必要です。

  • いつ
  • どこに
  • なんのために
  • 誰が
  • いくら

使ったのか?また、入って来たのか?

売上、経費(借入金、減価償却、固定費、変動費など)、純利益など、経営者が把握しておくべき項目はたくさんあります。

資金計画が曖昧な上、お金の管理が甘く、今月いくら使ったのか?を把握していないようでは、キャッシュフローバランスは崩れ、赤字が続き最終的には廃業…と言うことに繋がります。

何もかも支出を絞ってケチになれと言うことではありません。

投資すべきことに投資できるよう日ごろからお金の出入りは正しく把握し、いざと言うときにお金がない、赤字が続いているという状態にならないよう努めましょう。

失敗する飲食店経営者に共通する5つの特徴

お金の管理が甘いこと以外にも、失敗する経営者に共通する特徴があります。

簡単にまとめると下記の5つ。

  1. 経営ノウハウを知らない、学ぶ気もない
  2. 資金計画は適当な上どんぶり勘定でざるに管理
  3. スタッフの採用・教育に積極的でない
  4. 集客に消極的で、アドバイスされても試さない
  5. 自分本位のお店を作って、お客様を大切にしない

それぞれ詳しく見てみましょう。

経営ノウハウを知らない、学ぶ気もない

多くのことで失敗する方の共通点は「過去の成功者の方法を学ばない、失敗したケースを学ばない」こと。

このような方の多くは周りの先輩経営者のアドバイスにも耳を貸しません。

これではせっかく彼らが失敗したからこそ得た経験や、最速で成功する方法を自身で体験し見つけるしかなくなってしまいます。

すでに先人が経験してしまって、情報として事前に手に入れることができるものを、わざわざお金を払って体験する必要はありません。

過去に成功・失敗してきた飲食店経営者の

  • セミナーで話を聞く
  • 直接アポを取り話を聞きに行く
  • 本を読む

などできることはたくさんあります。

アドバイスや知識はあなたを批判するものではありません。
むしろ活用できるものはどんどん使って、効率よくお店を成功に導きましょう。

資金計画は適当な上どんぶり勘定でざるに管理

大事なことなので2回目の登場です。

資金計画とお金の出入りの把握は徹底して行いましょう。

  • お店に欠かせない道具が壊れた
  • 新しいスタッフを入れる必要がある
  • 新しいメニューを開発したい
  • 新しい設備を導入したい

何を行うにも、そもそもお店を続けるうえでお金は必要です。

そんなお金の状況を正しく把握できていない、管理があまいという状況ではいつかは赤字続きのお店となり、廃業に繋がります。

スタッフの採用・教育に積極的でない

飲食店を運営していくにあたり、大切なのがお店で働く従業員です。

お料理やお店の内装・外装なども大切ですが、お客様はスタッフのことも見ています。

  • メニューを聞きに来たけど終始ため口だった
  • 着けているエプロンが汚れていて汚い
  • お店に入った際、挨拶はおろか無視されている

など、せっかく訪れてくれたお客様であっても、スタッフのレベルが低くろくに満足させることができないともう一度来てくれる可能性は下がり離れて行ってしまいます。

また、従業員においても

  • オーナーは俺たちのことを気に掛けてくれることはない
  • このお店にいても学ぶことは何もない
  • 給料が高いというわけでもなく働き続ける理由がない

と、スタッフの定着率も下がることに繋がり求人コストだけが上がり続けることに。

これでは店舗の運営を続けるのは難しくなります。

集客に消極的で、アドバイスされても試さない

飲食店を開業して失敗する方の中には、

飲食店は料理が命。本当に上手い料理を提供していれば、自然とお客様は集まる

など、集客を行うことに消極的、もしくは全く行わない方がいらっしゃいます。

ライバルの少ない業界や、よほど良い立地にあるお店、オーナーや料理人が有名人で、勝手にお客様が来てくれると言ったケースもあるかもしれませんが、参入障壁が低くライバルの多い飲食店では今や集客は欠かせません。

どれだけ美味しい、高品質なお料理を提供していても知られなければお客さんが来ることはありません。

自分本位のお店を作って、お客様を大切にしない

メニュー開発、接客の方針や方法などの基本的な部分から、お客様の食べ方や楽しみ方自体にルールを設けるケースがありますが、うまくいかないケースの方が多いことを知っておきましょう。

  • 学生街にドレスコードがある高級フレンチを出店する
  • 餃子を食べてからラーメンを食べるようになど食べる順番を指定する
  • お酒に拘っているからお酒を頼まないお客様は来なくていい

など、こだわりがあるお店と言うものは、ハマれば大きくお客様を呼ぶことができる一方、ハマらない場合はただただクレームや客離れに繋がってしまいます。

飲食店を成功させるために大事な7つのこと

飲食店を成功させるには、失敗する人たちに共通していることを避けていくことが大切です。

  1. 成功基準と撤退基準を決める
  2. 出店する地域のニーズに合ったお店にする
  3. 資金計画を定め、計画に沿って資金を運用・徹底管理する
  4. 想定外の事態が起きた場合には課題解決に努める
  5. スタッフを大切にし、教育も欠かさない
  6. 集客は手を抜かず、新しいことにもチャレンジする
  7. お客様のニーズを満たして、リピーターを獲得する

それぞれ見てみましょう。

成功基準と撤退基準を決める

飲食店を始めて成功する!と言っても、

  • どんなに手を広げても10店舗以内!
  • 30店舗は展開したい
  • フランチャイズ化して全国に出店したい!

など、求める「成功の条件」により、必要な知識や計画、能力や人材、資金は変わります。
そのためまずはどうなったら成功なのか?を自分で定めましょう。

また、成功の基準と合わせて大切なのが撤退基準です。

  • 手持ちの予算が30パーセントまで下がったら閉める
  • 6ヵ月連続で赤字が続いたら閉める
  • お店を出す際の予算上限をはみ出す場合はそもそもお店を出さない

など、撤退基準を明確に定めておくことで必要以上の資金の流出を食い止めることができ、仮に失敗した場合でも再出発の可能性も高まります。

また、お店を始める際に知識が必要になることはもちろん、廃業するのにも知識が必要です。
予め撤退の可能性を想定して必要な知識の収集やその後の想定を事前に計画しておきましょう。

出店する地域のニーズに合ったコンセプトのお店を出す

ファミリーが多い地域なら、子供向けのメニューは欠かせません
ファミリーが多い地域なら、子供と一緒に入れるというのはとても重要です

閑静な住宅街に大学生をターゲットとしたワイワイ楽しめる居酒屋を作っても、残念ながらものすごく繁盛することはないでしょう。

閑静な住宅街にお店を出すなら、

  • ママが集まれるようなオシャレな飲食店
  • 子育て世代なのであまり高級過ぎず、気軽に集まれるような身近なお店
  • 小さい子供を連れてこれるように子供向けのメニューも忘れずに

など、実際に来てくれるお客様のニーズに合ったお店作り(メニュー、接客方法、清潔感、雰囲気)が大切になります。

そのため、良いなと思う場所を見つけたらその場所で

  • どのような属性の人(老夫婦が多い?若い夫婦が多い?一人暮らしが多い?など)が住んでいるのか?
  • 周りにどういう飲食店があって、繁盛しているお店はどういうお店なのか?
  • 価格帯はどのくらいなのか?

をリサーチしましょう。

そのエリアに競合店が少ない(0件の場合、ニーズが全くない可能性もあるので注意)ジャンルを見つけることができれば狙い目です。

あなたが好きなお店=お客様となる方たちが好きなお店とは限りません。

飲食店の開業を考える際、

  • 自分がやりたいお店を作る!
  • 自分のやり方が正しいことを証明する!
  • この程度でいいなら自分でやった方が良い!

など、自分本位の考えのみで始めてしまうケースがあります。

飲食店に限らず全ての商売は「お客様ありき」です。
自分本位の考え方のみでお店を始めることはやめましょう。

資金計画を定め、計画に沿って資金を運用・徹底管理する

お金の流れ(キャッシュフロー)は徹底して管理しましょう。

毎日、毎月どれだけのお金が入ってきて、どれだけのお金を出しているのか?
結果として残っている利益はいくらなのか?

キャッシュフローを正しく管理・把握しておかないと、利益は出ているけど手元の資金がなくローンの返済が滞り黒字倒産するといったケースも出てきます。

黒字倒産は飲食店では多く見られることから、資金繰り表などを作り、毎月いくら手元にキャッシュ(現金)があるのか?を把握しておく必要があります。

また、資金計画はすでに何度もお店をやっている、複数店舗経営していると言った方を除いて自分だけで決めてしまうのはおすすめできません。

周りの経営者(知り合いで商売をやっている人や、よくいく飲食店のオーナーなど)に相談して、

  • 抜けている要素や重複している要素はないか?
  • 楽観的すぎる、悲観的すぎるなどないか?
  • 家賃や人件費は相場に合っているか?

など、今作っているものを見せて具体的なアドバイスをもらうようにしましょう。

想定外の事態が起きた場合には課題解決に努める

飲食店を経営していると、お客様が備品を壊してしまったり、お料理作りに必要な道具が壊れたり、スタッフが辞める・病気になり働けなくなるなど、さまざまな想定外のことが発生します。

このようなことが起きた際、一番最初に対処すべきはその課題を解決することです。

  • 天井から雨水が漏れてきている状態だけど大したことないのでお店を開いている
  • フライヤーが壊れたから仕方がなくフライパンで揚げ物を作っている
  • スタッフが辞めてしまったがコスト削減がてら人数を減らしたまま営業する

など、起きた問題を放置したまま営業を続けるとどうでしょう?

  • 水漏れを放っておいたら天井の板が腐って貼り換えに大きな出費が必要になって赤字に…
  • 最近料理の質落ちて美味しくなくなったとお客様が離れ始めた
  • 従業員が次々と辞めてしまう上SNSで悪評が…求人を出しても人が集まらない

など、すぐに対処を行うと小さな影響で済んだかもしれないことが、より大きな穴となりお店を営業することすら困難な状況になりかねません。

想定外のことが起きてしまった場合には、当初の計画に多少影響が出るとしてもできるだけ影響が小さいうちに対処してしまいましょう。

スタッフを大切にし、教育も欠かさない

従業員が少しでも気持ちよく長く働ける環境を作って行きましょう
従業員が少しでも気持ちよく長く働ける環境を作って行きましょう

飲食店はこの10年絶えず人材不足と言われています。
「いかに良い人材を採用し、継続して働いてもらう」ことがとても大切な一方で大きな悩みの種。

どんなお店だったら継続的に働きたくなるか?
もちろん基準は人それぞれ様々ですが、逆にどういうお店だと働くのが嫌になるでしょうか?

例えば、

  • ピザが美味しいけど店の内装は中華風などお店のコンセプトが良く分からない
  • 人事評価が明確でなくオーナーのお気に入りのスタッフと自分で時給が全然違う
  • オーナーや先輩にやる気がなく、飲食店そのものに幻滅してしまうようなことをしている
  • 人手が足りないのに補充する気が無く、毎日長時間労働
  • 何かを始める際に説明がなく、なぜそれを実施するのか納得できない

と言ったところでしょうか。

お店はお客様と経営者だけのものではなく、働く従業員のものでもあります。

彼らが気持ちよく、長く働き続けることができるよう、

  • お店のコンセプトや働き甲斐を作ることと
  • 公平な人事評価のための評価基準の設定
  • 継続して働くことで学べることをつくる
  • 自身の夢も実現できると言った意識、希望を抱ける状況を作る
  • 変えること始めることは根拠をもって説明する

など少しずつでも改善して行くことが大切です。

集客は手を抜かず、新しいことにもチャレンジする

安定した利益を作るには集客は欠かせません。
飲食店の集客手段は多々ありますが、現在代表的なものは下記3つを組み合わせて活用することが必要です。

  • 地元のフリーペーパーやチラシなどの紙媒体
  • 大手グルメサイトやデリバリーサイトなどのウェブメディア
  • SNS、お店のホームページ、地図アプリなど自分で管理する媒体

集客方法は時代や地域、来て欲しいお客様で異なります。

デジタルは苦手だから、できれば集客は地元のフリーペーパーや店の近くでビラ配りくらいで済ませたいや、田舎だけどデジタルでしか集客してないなど、気持ちわ分かります。

しかし自分のお店がまだ成功していないのであれば手段は選ばず、ターゲットとなる層がいる集客方法は積極的にチャレンジしていきましょう。

お客様のニーズを満たして、リピーターを獲得する

ニーズを調べた上でお店を開いたものの、細かい部分でズレていたり、新しいお客様のニーズが生まれてくることは多々あります。

そういった場合には、お店のコンセプトがまるっきり変わってしまわない範囲で、お客様に合わせて調整を行いましょう。

また理想はあれど今現在できていること、できていないことは必ず出てきます。

いきなりお店を始めるまえに、ニーズを調べて資金計画を立てるのが肝心です

飲食店の50%が開業してから2年で廃業してしまうと言われています。

それは参入障壁が低くライバルが多い業界であるものの、

  • 経営ノウハウを知らない、学ぶ気もない
  • 資金計画は適当な上どんぶり勘定でざるに管理
  • スタッフの採用・教育に積極的でない
  • 集客に消極的で、アドバイスされても試さない
  • 自分本位のお店を作って、お客様を大切にしない

など、自分本位のお店を作ってしまったり、お金の管理が甘いことが多く、結果的に廃業率の高さに繋がっているとも言えるでしょう。

と言うことは逆にちゃんと事前にリサーチをして、お客様のニーズにあったお店を作り、お金の管理をしっかりと行うだけでも成功する確率が上がると言うこと。

失敗する確率を少しでも減らすために、下記の7点には注意しましょう。

  1. 成功基準と撤退基準を決める
  2. 出店する地域のニーズに合ったお店にする
  3. 資金計画を定め、計画に沿って資金を運用・徹底管理する
  4. 想定外の事態が起きた場合には課題解決に努める
  5. スタッフを大切にし、教育も欠かさない
  6. 集客は手を抜かず、新しいことにもチャレンジする
  7. お客様のニーズを満たして、リピーターを獲得する

なかでも成功基準と撤退基準を決め、ニーズの調査を行い、計画を定めることは、大切な上に特にお金を使うことなく実施、やり直すことができます。

計画の段階で確実にダメなことが分かれば止めて新しい計画を始めればよいだけ。
深手を負う前に判断し、失敗する確率を下げつつ、より成功する確率が高い状態でお店を始めましょう。

そのためにはいきなりお店を始めるのではなく、デリバリーサービスを活用して本当にニーズがあるのか?を試してみることも今なら可能です。

締めるべきところは締め、投資するべきことに投資をすることを徹底し、より効率よくお店を成功に導きましょう。