顧客ロイヤルティとは?顧客満足度との違い・指標・向上方法を解説

顧客ロイヤルティは短期間では改善しません 経営・店舗運営ノウハウ
顧客ロイヤルティは短期間では改善しません

顧客ロイヤルティとは、顧客が特定の企業やブランドに対して抱く「信頼」や「愛着」を指します。

本記事では、顧客ロイヤルティの基本的な定義から、混同されがちな顧客満足度との違い、ビジネスにおける重要性、さらにはNPS®などの代表的な指標や具体的な向上ステップまでを網羅的に解説します。

顧客との長期的な関係を築き、安定した事業成長を目指すための知識を提供します。

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  1. 顧客ロイヤルティとは?企業と顧客の長期的な信頼関係のこと
  2. 顧客ロイヤルティと顧客満足度の決定的な違い
    1. 顧客満足度:商品やサービスに対する短期的な評価
    2. 顧客ロイヤルティ:企業やブランドへの長期的な信頼や愛着
  3. なぜ今、顧客ロイヤルティがビジネスで重要視されるのか
    1. LTV(顧客生涯価値)が向上し、安定した収益につながる
    2. 解約率が低下し、リピート購入が期待できる
    3. ポジティブな口コミが広がり、新規顧客獲得コストを削減できる
  4. 顧客ロイヤルティを可視化するための代表的な指標
    1. NPS®(ネット・プロモーター・スコア):推奨度を測る指標
    2. 顧客満足度(CSAT):取引ごとの満足度を測る指標
    3. 顧客努力指標(CES):問題解決にかかった労力を測る指標
  5. 顧客ロイヤルティを高めるための具体的な3ステップ
    1. ステップ1:指標を用いて顧客の現状を正確に把握する
    2. ステップ2:顧客データを分析し、改善すべき課題を特定する
    3. ステップ3:分析結果に基づいた改善施策を実行し、効果を検証する
  6. 顧客ロイヤルティに関するよくある質問
    1. 顧客ロイヤルティと顧客満足度は、具体的にどう違うのですか?
    2. 顧客ロイヤルティを高めることで、企業はどのような恩恵を受けられますか?
    3. 顧客ロイヤルティの度合いを測定するには、どのような方法がありますか?
  7. まとめ

顧客ロイヤルティとは?企業と顧客の長期的な信頼関係のこと

顧客ロイヤルティの定義は、お客様が特定の商品やサービス、あるいはそれらを提供する企業やブランドに対して抱く信頼や愛着を意味します。

これは、単に商品が良いといった機能的な価値だけでなく、企業の姿勢やブランドイメージといった感情的な価値によっても形成される、顧客との長期的な関係性を示す概念です。

顧客ロイヤルティが高い顧客は、競合他社に類似商品があっても自社製品を選び続け、継続的に購入してくれる傾向があります。

顧客ロイヤルティと顧客満足度の決定的な違い

顧客ロイヤルティと顧客満足度は、しばしば混同されますが、その性質は大きく異なります。

顧客満足度は商品やサービス利用時の一時的な感情であるのに対し、顧客ロイヤルティは企業やブランドに対する長期的かつ継続的な信頼や愛着を指します。

この違いを理解することは、顧客との関係性を深め、持続的なビジネス成長を実現するために不可欠です。

顧客満足度:商品やサービスに対する短期的な評価

顧客満足度(CSAT)は、顧客が特定の商品を購入したり、サービスを利用したりした際に得られる満足感を測る指標です。

この評価は、個別の取引や体験に対する短期的な感情であり、「今回の買い物は良かった」「スタッフの対応が丁寧だった」といった具体的な場面に基づきます。

ただし、顧客満足度が高いからといって、必ずしも次回の購入が保証されるわけではありません。

例えば、セール価格で購入して満足した場合でも、定価に戻れば他社の安い商品に流れる可能性があるなど、その場限りの評価にとどまるケースも少なくありません。

顧客ロイヤルティ:企業やブランドへの長期的な信頼や愛着

顧客ロイヤルティは、商品やサービスに対する個別の評価を超えて、企業やブランドそのものに対して顧客が抱く長期的な信頼や愛着を指します。

これは、過去の良好な顧客体験が積み重なることで形成され、「この会社なら信頼できる」「このブランドが好きだ」といった感情的な結びつきが特徴です。

顧客ロイヤルティが高い顧客は、価格の変動や競合の存在に左右されにくく、継続的に商品やサービスを利用してくれます。

さらに、自社の製品を友人や知人に積極的に推薦してくれることも期待できます。

なぜ今、顧客ロイヤルティがビジネスで重要視されるのか

現代の市場は、新規顧客の獲得がますます難しくなる一方で、既存顧客との関係維持の重要性が高まっています。

このようなビジネス環境において、顧客ロイヤルティは企業の安定的な成長を支える基盤となります。

顧客ロイヤルティが高い状態は、収益性の向上や解約率の低下といった直接的なメリットをもたらすだけでなく、ブランド価値の向上にも寄与するため、多くの企業がその強化に取り組んでいます。

LTV(顧客生涯価値)が向上し、安定した収益につながる

顧客ロイヤルティが高い顧客は、企業やブランドに対して強い信頼を寄せているため、商品を繰り返し購入してくれる傾向があります。

これにより、一人の顧客が取引期間全体を通じて企業にもたらす総利益、すなわちLTV(LifeTimeValue)が向上します。

また、関連商品や高価格帯のサービスへアップセルやクロスセルしやすくなる点も大きなメリットです。

新規顧客の獲得には既存顧客の維持に比べて5倍のコストがかかるとも言われており、LTVの高い顧客を増やすことは、効率的で安定した収益基盤の構築に直結します。

>LTV(顧客生涯価値)とは?意味やビジネスで重要視される理由、高める方法についてわかりやすく解説

解約率が低下し、リピート購入が期待できる

企業やブランドへの愛着を持つ顧客は、価格や機能だけで他社製品と比較することなく、自社の商品やサービスを選び続けてくれます。

このため、顧客ロイヤルティの向上は、顧客の離反を防ぎ、チャーンレート(解約率)を低下させる効果があります。

特にサブスクリプション型のビジネスモデルにおいては、解約率の低減が事業の安定性に直接影響します。

ロイヤルティの高い顧客は、多少の不満があってもすぐに離れるのではなく、長期的な視点で関係を継続してくれるため、安定したリピート購入が見込めます。

>解約率(チャーンレート)とは?重要性と分析方法、効果的な改善ポイントを解説

ポジティブな口コミが広がり、新規顧客獲得コストを削減できる

顧客ロイヤルティが高い顧客は、単なるリピーターにとどまらず、企業の「推奨者」としての役割を果たしてくれます。

彼らは自身の良い体験を家族や友人、SNSなどで積極的に共有し、ポジティブな口コミを広げてくれる存在です。

このような第三者からの推奨は、広告よりも信頼性が高く、非常に効果的な新規顧客獲得手段となり得ます。

結果として、企業は多額の広告宣伝費を投じることなく、新たな顧客層にアプローチできるため、マーケティングコストの削減にも貢献します。

>口コミ評価の重要性とは?レビューを活用して売上を伸ばす方法

顧客ロイヤルティを可視化するための代表的な指標

顧客ロイヤルティは抽象的な概念ですが、その度合いを客観的に把握するためには、適切な指標を用いて数値化することが重要です。

アンケート調査などを通じて顧客ロイヤルティを数値として可視化することで、自社の立ち位置を正確に理解し、具体的な改善策を立案するための土台となります。

ここでは、その代表的な指標としてNPS®、CSAT、CESの3つを紹介します。
それぞれの指標は測定する側面が異なるため、目的に応じて使い分けることが求められます。

例として、サービスの推奨度を測るのか、個別の満足度を測るのかで選択する指標が変わります。

NPS®(ネット・プロモーター・スコア):推奨度を測る指標

NPS®(Net Promoter Score)は、「この企業(商品・サービス)を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいですか?」という質問に対し、0〜10点の11段階で評価してもらうことで顧客ロイヤルティを測定する指標です。

回答者を「推奨者(9〜10点)」「中立者(7〜8点)」「批判者(0〜6点)」の3つに分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値で算出します。

企業の収益性との相関が高いとされ、顧客の継続利用意向や口コミ行動を予測するのに適しています。
事業全体の健全性を測る指標として広く活用されています。

>NPS®とは?顧客満足度との違いやスコアの測定方法をわかりやすく解説

顧客満足度(CSAT):取引ごとの満足度を測る指標

顧客満足度(CSAT:CustomerSatisfaction)は、「この商品(サービス)にどの程度満足していますか?」といった質問を通じて、特定の取引やインタラクションに対する顧客の満足レベルを測定する指標です。

通常、「非常に満足」から「非常に不満」までの5段階評価などが用いられ、満足していると回答した顧客の割合を算出します。

CSATは、商品購入後や問い合わせ対応後など、特定の顧客接点におけるパフォーマンスを短期的に評価するのに有効です。

ただし、この指標だけでは長期的な顧客ロイヤルティを正確に測ることは難しいとされています。

>CSAT(顧客満足度スコア)とは?スコア算出方法とNPS・CESとの相違点を解説

顧客努力指標(CES):問題解決にかかった労力を測る指標

顧客努力指標(CES:CustomerEffortScore)は、「問題解決のために、どれくらいの労力がかかりましたか?」といった質問を通じて、顧客が自己の問題を解決する際にかかった負担を測定する指標です。

主にカスタマーサポート部門の応対品質評価などで用いられ、顧客が少ない労力で簡単に目的を達成できるほど、顧客ロイヤルティが高まるという考えに基づいています。

顧客体験の障壁となっているプロセスを特定し、サービス全体の簡便性を向上させるための具体的な改善点を見つけるのに役立ちます。

>カスタマーエフォートスコア(CES)とは? 測定方法や改善ポイントについて解説

顧客ロイヤルティを高めるための具体的な3ステップ

顧客ロイヤルティを高めるためには、場当たり的な施策ではなく、体系的なアプローチが不可欠です。

まず現状を正確に把握し、データに基づいて課題を特定した上で、具体的な改善策を実行・検証するというサイクルを回すことが向上への近道です。

このプロセスを通じて、顧客体験を継続的に改善し、顧客との信頼関係を築くことができます。
ここでは、顧客ロイヤルティを高めるための実践的な3つのステップを紹介します。

ステップ1:指標を用いて顧客の現状を正確に把握する

顧客ロイヤルティ向上の第一歩は、現状を客観的に知ることから始まります。

NPS®やCSATなどの指標を活用してアンケート調査を実施し、顧客が自社のサービスやブランドに対して現在どのような感情を抱いているのかを定量的に把握します。

この際、スコアだけでなく、自由回答欄を設けて具体的な意見を収集することも重要です。

数値データと定性的なコメントを組み合わせることで、自社の強みや弱み、顧客が特に価値を感じている点や不満に思っている点を多角的に理解することができます。

ステップ2:顧客データを分析し、改善すべき課題を特定する

次に、収集した顧客データを深く分析し、ロイヤルティ向上を妨げている根本的な原因を探ります。

例えば、NPS®のスコアが低い顧客層の属性や利用履歴を分析したり、自由回答の中から頻出するキーワードを抽出したりすることで、具体的な問題点が見えてきます。

問い合わせ内容や解約理由といった他のデータと突き合わせることで、顧客体験のどの段階で問題が発生しているのかを特定します。

この分析を通じて、取り組むべき課題の優先順位を決定し、効果的な施策立案の土台を築きます。

ステップ3:分析結果に基づいた改善施策を実行し、効果を検証する

課題が特定できたら、それらを解決するための具体的な改善施策を立案し、実行に移します。

例えば、「製品の使い方が分かりにくい」という声が多ければ、チュートリアル動画を作成したり、FAQページを充実させたりといった対策が考えられます。

施策実行後は、必ず効果検証を行います。
再度NPS®調査を実施するなどして、施策が顧客ロイヤルティの向上に実際に寄与したかを測定します。

この「実行と検証」のサイクルを継続的に回すことで、顧客体験を継続的に改善し、顧客との強固な信頼関係を構築していきます。

顧客ロイヤルティに関するよくある質問

顧客ロイヤルティという概念は、ビジネスの現場でますます重要視されていますが、その定義や測定方法について疑問を持つ方も少なくありません。

ここでは、顧客ロイヤルティに関して頻繁に寄せられる質問を取り上げ、それぞれ簡潔に回答します。

これらのQ&Aを通じて、顧客ロイヤルティへの理解をさらに深め、自社の取り組みに活かすためのヒントを提供します。

顧客ロイヤルティと顧客満足度は、具体的にどう違うのですか?

顧客満足度は商品やサービスに対する「短期的な評価」である一方、顧客ロイヤルティは企業やブランド全体への「長期的な信頼・愛着」を指します。

満足度は個別の取引で完結しますが、ロイヤルティは将来にわたる継続的な利用や他者への推奨といった行動につながる点で根本的に異なります。

顧客ロイヤルティを高めることで、企業はどのような恩恵を受けられますか?

顧客ロイヤルティの向上は、LTV(顧客生涯価値)の上昇による安定収益の確保、解約率の低下による顧客基盤の安定化、そしてポジティブな口コミによる新規顧客獲得コストの削減といった直接的な経営メリットをもたらします。

これにより、持続的な事業成長を実現することが可能になります。

顧客ロイヤルティの度合いを測定するには、どのような方法がありますか?

NPS®(ネット・プロモーター・スコア)という指標が広く用いられます。

「サービスを他者に薦めるか」を問い、推奨度を測ることで将来の収益性と相関が高いロイヤルティを可視化します。

その他、取引ごとの満足度を測るCSATや、問題解決の労力を測るCESなども関連指標として活用されます。

まとめ

顧客ロイヤルティは、顧客が企業やブランドに対して抱く長期的な信頼や愛着を指し、短期的な評価である顧客満足度とは異なります。

このロイヤルティを高めることは、LTVの向上、解約率の低下、そして口コミによる新規顧客獲得といったメリットをもたらし、企業の安定成長に不可欠です。

NPS®などの指標を用いて現状を正確に把握し、データ分析に基づく改善サイクルを回すことで、顧客との強固な関係を築き、持続的なビジネスの発展を目指すことができます。