こんにちは!
顧客ロイヤルティを上げよう!と言う話をよく聞くけど、
- 顧客満足度(CS)と顧客ロイヤルティって違うの?
- どっちから優先すべきなの?
- どうやればロイヤルティって上がるの?
など、いまいち頭がスッキリしない、ただ新しい言葉に踊らされてるだけなどと思っている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、顧客満足度と顧客ロイヤルティの違い、なぜ重要か、どちらを優先して取り組むのか?、どうやったらロイヤルティは上がるのか?、どんな指標を見ればいいのか?をまとめて解説しています。
顧客ロイヤルティとはお客様が企業や商品・サービスに対して持っている愛情や思い入れ
顧客ロイヤルティを一言で表すと「一途に一つの企業・ブランド・商品を使い続けてくれる状態」となります。
Loyalty(ロイヤルティ)は「忠誠心」と言う意味の英語です。
顧客満足度(CS)によって、企業、商品、サービス、ブランドがどれだけお客様へ価値を提供できているか?を確認することはできるようになってきました。
しかし実際には、例えお客様が大満足だと言ったとしてもそのお客様が継続的に何度もお店に来て商品やサービスを購入してくれるとは限りません。
そこでお客様が企業や商品、サービスを信頼し、何度も同じ企業の商品やサービスを購入してくれる状態かどうか?を見るために「顧客ロイヤルティ」を上げることが大切になっています。
顧客満足度(CS)と顧客ロイヤルティ(CL)は全然違うもの
顧客満足度(CS)と顧客ロイヤルティ(CL)は言葉こそ似ていますが全く異なる指標です。
両者の違いを簡単にまとめるとこんな感じ。
- 顧客満足度(CS)=1度でも商品やサービスを体験したお客様の満足度
- 顧客ロイヤルティ(CL)=愛情をもって一つの商品やサービスを愛用してくれている状態
それぞれ詳しく見てみましょう。
顧客ロイヤルティ(CL)とは一途に同じ商品を購入・使用し続けてくれること
顧客ロイヤルティ(CL)とは、他社や他の商品に乗り換えることなく、一途に同じ商品を購入・使い続けてくれることです。
ロイヤルティから「忠誠心・愛情」と表現されることも多くあります。
一途に同じ商品を購入・使い続けてくれることから「解約率」を追いかけることで、商品の顧客ロイヤリティの高さを把握することができるとされています。
しかし、単純に解約したからといって顧客ロイヤルティが低いとは言い切れません。
合わせてアンケート調査から得られるNPS(顧客推奨度)や、顧客満足度(CS)、LTV(ライフタイムバリュー)などの数値を参考にすることで、より具体的なロイヤルティを把握することができます。
顧客ロイヤルティは一回の接触で上がることは稀。
継続した購入・利用・コミュニケーションが必要で、取り組み開始から結果が出るまでにはそれなりに時間が掛かります。
しかし、一度ロイヤルティが上がるとその後も継続して購入してくれる(iPhoneユーザーはiPhoneを買い続けるように)可能性が高くなるため、改善しない手はない指標の一つとなります。
顧客満足度(CS)はその場勝負!どれだけ満足度の高いサービスを提供できたか?
お客様が商品を購入・利用後に満足したか?の度合いを表した指標です。
Customer Sutisfuctionの略でCSと呼ばれることも多くあります。
主にアンケートを使って項目(商品の満足度は?店員の接客の満足度は?など)毎に満足度を集計・評価し改善を行っていくことに使います。
改善ポイントによっては短期間で大きく結果が変わる(飲食店でメニュー説明を丁寧に行うようにしたら満足度が大きく向上したなど)こともあります。
しかし、お客様が求めていない箇所を改善しても当然結果にはつながらないので、事前に調査しお客様が求めている箇所を見つけることが必要になります。
顧客満足度と顧客ロイヤルティは必ず比例するものではない
顧客満足度が高い状態をキープしたからと言って、比例して顧客ロイヤルティが上がるとは限りません。
定期的に買ってくれてはいるけどすぐに乗り換えられそう(今は満足しているがロイヤルティは低い)なお客様は、どんなお店や商品にでもいらっしゃるのではないでしょうか。
新しくロイヤル顧客になってもらうには満足度が高い状態を一定期間(お客様により異なります)経てもらう必要がありますが、満足度が高いからと言って必ずしもロイヤルティが高いとは言い切れません。
しかし一度でもロイヤルティが上がると、単発で顧客満足度が低い体験をしても、簡単に離れることはありません。
いつもスタバでコーヒーを買っている人が、たまたま季節的な商品を買った際に、これ好きじゃない!外れたー(満足度が低い)と感じたとしても、スタバに行くのをやめる!となる人は少ないと言うことと同じです。
市場に競合がいない商品だと満足度やロイヤルティが低くても継続して購入される
顧客満足度が高くなくても顧客ロイヤルティが高いと勘違いしてしまう状態が生まれることがあります。
それは競合他社がいない、少ない場合。
選択肢が少ない中でそれでも必要な商品がある場合、他に選択肢がないので継続して同じ商品を使い続けることになります。
そのため企業側から見たときにロイヤルティの高い顧客と勘違いをしてしまうことになります。
しかし、この状態は、
- 新しい、より良い選択肢が生まれた際にすぐにいなくなる可能性がある
- 諦めて別の方法で解決(自作なども含めて)を目指してしまう可能性がある
- 友人や知人など他のお客様候補を紹介いただける可能性は低い
と言った問題を含んでおり、いつ離反するか分からない危険な状態です。
もし競合他社がいない、または少ない市場で商いを展開されている方は、
- 本当にロイヤル顧客なのか?
- それとも選択肢がないから選んでいるだけなのか?
お客様へアンケート調査を行うなどして、できるだけ正しく把握を行いましょう。
ロイヤルティと言うが主従関係があるわけではないので、勘違いは厳禁
ロイヤルティ(Loyalty)を直訳すると忠誠心となりますが、企業や商品とお客様の間に昔のお殿様と武士のような主従関係があるわけではありません。
あくまで対等な関係の上になりたっているため、ロイヤルティの高いお客様に対して高圧的な態度をとったり、雑な扱いをすることが無いよう注意しましょう。
優先的に取り組むべきは顧客満足度
もし今お店に「ロイヤル顧客」と言えるお客様が少ない、いないと感じている場合は、顧客満足度を上げることを優先しましょう。
顧客ロイヤルティを上げるには、お客様にとって「このお店好き!また来たい!」と思い続けてもらうことが必要です。
このお店好き!また来たい!と思ってもらうには、初回来店時にどれだけそのお客様が求めている品質のお料理など商品、接客、清潔感、雰囲気、通称QSCAを提供できるかがカギ。
ロイヤルティを高めるためにも、顧客満足度(CS)を向上できるようお店の商品、接客、清潔感、雰囲気など通称QSCAと言われる要素の改善に努めましょう。
顧客ロイヤルティを測るにはNPSと再来店意思が重要
自社のサービスの顧客ロイヤルティが高いのか、低いのかを見て行くのに一般的には「解約率(チャーンレート)」を指標として設定します。
解約率とはある期間内にサービス利用を停止したお客様の割合です。
お客様が100人いて年間解約率が10%だった場合、1年間で10人のお客様がいなくなったということ。
翌年も同じだけ売上を作るには、その失った10人分の売上をどのようにして作るのか?を考える必要が出てきます。
そんな解約率ですが、一般的な飲食店など会員制など顧客管理を行っていないサービスでは「解約」と言う概念がないこともあり計測するのが難しい指標です。
そのため、飲食店など顧客管理を行い辛いサービスでは
- NPS(推奨度)
- 再来店意思
を活用することで、大まかではありますが顧客ロイヤルティを計測することができます。
実際に実行した回数ではないのでズレることはある
NPSも再来店意思も共通する注意すべきことがあります。
それは信じすぎないこと。
アンケートに答えてくれたお客様は
- NPSが高かったのできっと誰かを紹介してくれるだろう
- 再来店意思が高かったからきっと来週もきてくれるだろう
と言った期待を持ちすぎないようにしましょう。
両指標ともにあくまで「可能性」に過ぎず、実際にどう動いてくれるかは分かりません。
行こうと思っていたけど急な用事で行けなくなると言ったことも当然あります。
多くのお客様が紹介したいと思う、もう一度来たいと思うお店と言う状態をつくっていくことが、結果的にお店の売り上げに繋がると言うことを理解した上で活用しましょう。
既存のロイヤル顧客と似たお客様を集めるのが一番の近道
お店や商品の顧客ロイヤルティを高めていくには、顧客満足度(CS)を高めていくのが大切です。
しかし、
- 20代の大学生と40代の経営者
- ビールが好きなお客様とワインが好きなお客様
- 東京在住者と地方や海外からの旅行者
など異なる属性のお客様全ての満足度を高めるのは並大抵ではありません。
そのため、ある程度ロイヤルティの高い顧客がついてきたという段階になった場合、集客の対象をそのロイヤルティの高いお客様と似た属性の方たちに定めましょう。
似た属性を持つ方たちは好みや気になるポイントも近い物。
ターゲットを絞って集客、改善を行うことで、よりお店や商品へのロイヤルティが高いお客様を増やして行くことに繋がります。
顧客ロイヤルティを上げたいからといってすぐに向上するような魔法は残念ながら存在しません。
コツコツと満足度の高いサービスを提供し続けることこそが一番の近道。
お店や商品の満足度を上げて、ファンを作って、ロイヤルティを高めて行きましょう。