飲食店でお客様が離れにくい値上げの方法を調査結果から見てみる

お客様が離れにくい値上げの方法あります 分析・改善ノウハウ
お客様が離れにくい値上げの方法あります

こんにちは!

飲食業界は現在、

  • 原材料の高騰
  • 流行病による営業の制限
  • 人材不足による人件費の高騰

など、さまざまな課題に見舞われています。

この状況でも経営を続けるために、どうしようもなく値上げを検討せざるを得ない状況ではあるものの、実際にはお客様が離れてしまわないか心配でなかなか踏み切れない!と言う方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、一般のお客様への調査から見えてきたお客様が離れにくい値上げのポイントと、絶対にやってはいけないポイントをご紹介します。

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大手飲食チェーン店でも値上げが相次いでいる

直近において飲食企業でも値上げが相次いでいます。
特に大型チェーン店などは原材料である食肉、小麦、原油の高騰による値上げが多く見られます。

実際に帝国データバンクが行った調査でも下記のような結果がでています。

値上げの要因としては、「食肉」「小麦粉」「原油」の高騰による影響が目立つ。食肉では、鶏肉や豚肉のほか、特に輸入牛肉の価格上昇による影響が大きかった。牛丼などに使われる米国産ショートプレート(バラ肉)の1キロ当たり卸売価格は、2021年4月以降上昇を続け、同7月には前年同月比83.1%増の1130円を記録。足元でも高値で1000円を超えるなど、高止まりが続いている。小麦粉や原油価格の高騰も多くの企業で要因に挙げており、特に原油価格は輸送費のほか、コロナ禍で増大したテイクアウト需要で包装材のコストが増加した。コロナ禍でテイクアウトなどに注力した企業では、対応するためのスタッフを配置するための人件費増も負担となった。

主要外食100社、3割が過去1年に値上げ 価格は平均70円超アップ 飲食店の原価率が18年ぶり急騰、上昇幅は過去最大

上記のプレスリリースの中では、値上げ幅は抑えつつも大盛サービスへの追加料金を取るなどで対策すると言うことも書かれており、価格はあまり変わっていないように見えても実質的な値上げを行っている企業も多くあるようです。

お客様が離れにくい値上げのポイントは「量を調整する」こと

大盛は有料化するなど、量を調整する値上げはお客様にも受け入れられやすい
大盛は有料化するなど、量を調整する値上げはお客様にも受け入れられやすい

コンビニエンスストアなどでも販売価格は変わらないものの、ご飯の量が減っているなどの実質的な値上げは行われています。

確かにニュースになったり冗談交じりに揶揄されるケースもありますが、実際には「コンビニの客離れ」と呼ばれるような状況は起きていません。

量が減ることで何となく納得できないなーと思っているお客様はいるかもしれませんが、顧客満足度が高くこのお店に行きたいと思ってもらえる状況ができていれば、離反に繋がってしまうようなものではないと言えます。

実際に値上げを行った飲食チェーン店でも、

  • 量や質を変えないために価格を上げる
  • 価格を保って量を減らす
  • 価格も量も変えずに、提供サービスをセルフ・デジタル化しコストを減らす

と言ったケースが多く、企業としても頑張っているがどうしようもないと言うことがお客様に伝わるような形であれば、お客様の満足度は大きく下がることはないと言うことが分かっています。

ファンくるによるお客様への調査結果でも、紛争などの仕方がない理由であれば多くのお客様が値上げを許容いただける旨ご回答いただいています。

飲食店が値上げの際に絶対にやっちゃいけないのは「質を落とす」こと

飲食店がメニューの値上げを行う上で、絶対にやってはいけないのはお料理の「質を落とす」ことです。

  • あの店は経営者が変わって味が落ちたからもう行かない
  • 値段を上げてでも前の味をキープしてほしかった

と言った声を聞いたことはないでしょうか?

ファンくるでユーザーに行った調査結果を見ると、多くのお客様が「料理や飲み物の質が落ちる」ことを嫌だと選択しており、年齢層が上がるにつれてこの傾向が強くなっています。

このことから値上げの手段を検討する際に「値上げを行わずにお料理の質を下げることによるコスト削減」を選んでしまうと、多くのお客様にとって悪手となってしまうことが分かります。

さらにお料理の質を下げたまま実際の販売価格も上げてしまうと、お客様にもう来なくていいですと言っているようなもの。

選択肢の中からこの選択だけはしないように気を付けましょう。

お客様は飲食店に「お料理」を求めている

当たり前ですが飲食店に対してお客様は「お料理」を一番に求めています。

下の記事・図では同じ飲食店にお客様が再来店するかを判断する要素として接客の割合いが増えてきていることをお伝えしていますが、より大きな要素が「料理」であることに変わりありません。

顧客満足度(CS)は本当に売上と相関・関係するのか?- 飲食店は料理だけでなく接客も求められている

どんなに接客がよく、おもしろい企画やキャンペーンを行ったとしても、肝心のお料理が美味しくないとなると顧客満足度は下がり、お客様は離れてしまいます。

もちろん値上げに対してはお客様に良い印象を持ってもらおうことは、かなり難しいことで間違いありません。

それでもどうしてもやらざるを得ない場合、料理の質を落とすのではなく少しだけ量を減らすことを選択し、お客様の満足度と利益をキープできるよ対策を行いましょう。

値上げは一見するとネガティブなことですが、提供商品の品質や価格、種類などを見直すチャンスでもあります。

前向きにとらえて一つずつ実行していきましょう。