お客様が商品やサービスを利用する・楽しむ際にどれだけ努力する必要があったのか?を示す指標として「顧客努力指数(CES)」があります。
しかし、CESと聞いて
- CSやNPSと何が違うのか?
- どういう状態だと悪くなりやすいの?
- 何をやれば改善されるの?
など良く分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、顧客努力指数(CES)について、CSやNPSとの違い、なぜCESを見る必要があるのか、どうやって調べればよいのか、悪化する原因や改善するポイントは?をご紹介しています。
お客様が一度商品やサービスを利用しても定着してくれない。リピーターになってくれない。という方は、ぜひこの記事を参考に顧客努力指数(CES)を測定してみることをおすすめします。
顧客努力指数(CES:Customer Effort Score)とは?
顧客努力指数(CES)とは、お客様が実際に商品やサービスを体験する際、どの程度「努力」が必要だったかを数値で表したものです。
お客様が利用時に努力が必要と言うことは、
- メニューから自分が欲しい商品を見つけるのが大変
- タブレット端末やECサイトなどで注文する際の手間(会員登録など)が標準化されていない
- どうやればいいか聞ける窓口やスタッフがいない
- 購入した商品の正しい使い方が分からず使用できない
など、書いているだけでも「イライラするだろうなー」と思う通り、商品やサービスを利用するときにストレスを感じていると言うことです。
デジタル(ウェブサイトやアプリ)ではユーザビリティ(使いやすさ、迷わなさ)が大切と言われる通り、できるだけお客様が努力する必要なく体験できる状態が商品やサービスの理想の状態の一つと言え、BtoB商材、BtoC商材のいづれにも当てはまります。
顧客満足度(CS)や顧客推奨度(NPS)と顧客努力指数(CES)の違い
顧客満足度(CS)や顧客推奨度(NPS)は、商品やサービスを体験したお客様がどれだけ満足したか?知人友人に推奨しても良いと思えるかどうか?など、顧客のロイヤリティ(愛着・信頼度)を感情面、行動面から見るための指標です。
一方CESは顧客努力指数の名の通り、顧客がサービスを使うのにどれだけ努力が必要だったか?を見るための指標です。
顧客満足度(CS)や顧客推奨度(NPS)が低かった場合に原因を掘っていくと、お客様がサービスを受ける過程の顧客努力指数(CES)が高かったなど、関連性の高い指標であると言えます。
顧客努力指数(CES)を見るのは、新規のお客様のハードルを知りお客様に定着してもらうため
顧客努力指数(CES)を追いかけることが大切な理由は2つあります。
- 新規のお客様がどこで多く断念するか?苦労するか?を把握する
- お客様に商品やサービスに定着(リテンション)してもらうため
必要な努力が多いサービスはお客様が商品やサービスを利用する際に、
- 使い辛い!
- マジで面倒臭いんだけど…
- えっと、どうしたらいいのかな??
など、迷いや負の感情を抱かせることになります。
そうなると、
- 初めてご利用しようとしてくれたお客様は途中で離脱
- なんとか一回購入、利用してくれたお客様も、もう一度は利用してくれず離脱
と、解約や競合商品への移動、購買停止などに繋がります。
そのため、リテンション率を上げ、一人のお客様と商品やサービスが長く付き合っていくためにも、顧客努力指数(CES)を計測し、お客様に努力させてしまっている箇所を改善していく必要があります。
顧客努力指数(CES)は業界、業種、業態関係なく見た方が良い重要な指標
顧客努力指数(CES)は何も特定の業界、業種、業態でしか使えない指標ではありません。
- ウェブサービスやアプリはどこでお客様が詰まっているのか?
- 不動産屋では希望物件をできるだけ簡単に見つけてもらうにはどうすべきか?
- 飲食店で出しているお料理の量はお客様にとって適切か?
- お客様が簡単に美容室後の髪型を再現するには、どう伝えればよいか?
など、様々な業種業態でお客様のリピート利用に繋がる課題を解決することに繋がります。
顧客努力指数(CES)はアンケートかインタビューで調査する
顧客努力指数(CES)を調べる際は、
- 7段階のアンケートで調査
- ユーザーインタビューで聞く
の二つの方法がおすすめです。
7段階のアンケートで調査
顧客努力指数(CES)を計測するための一般的な方法として、7段階の回答を使ったアンケート調査があります。
- まったく努力しなかった
- 努力しなかった
- あまり努力しなかった
- どちらともいえない
- やや努力した
- 努力した
- 非常に努力した
上記7つの段階で回答してもらった結果を元に「まったく努力しなかった+努力しなかった」の二つの要素の割合から「努力した+非常に努力した」の二つの要素の割合を引いた数値を顧客努力指数(CES)のスコアとすることができます。
5段階で聞く顧客満足度(CS)調査や10~11段階で聞く顧客推奨度(NPS)の調査も応用することで、顧客努力指数(CES)を計測することはできるでしょう。
ユーザーインタビューで聞く
実際に商品やサービスを使用しているお客様に、対面でインタビューをする方法もあります。
直接意見を伺えるので、より細かく具体的にどこでお客様に努力させることになったのか?を把握することができ、解決策へも直結します。
わざわざインタビューや調査の時間を取らずとも、お客様が商品やサービスを購入後、
- お客様が企業へお問い合わせをした際
- 返品対応時
などの機会は全てユーザーインタビューの場として活用できます。
顧客努力指数(CES)が悪化する2つの理由
顧客努力指数(CES)が悪化してしまう主な要因は下記の2つに仕分けられます。
- 商品やサービスそのものへの不満
- スタッフの接客や対応への不満
商品やサービスそのものが「使い辛い」「分かりにくい」「ルールが細かすぎる」「専門的すぎる」など、利用する・楽しむ際にお客様の負担が大きい場合、当然のように顧客努力指数(CES)は悪化します。
また、「声を掛けづらい」「電話をしても繋がらない」「聞いたことと違うことを返してくる」「マニュアルに知りたいことが書いてない」「対応が雑」「たらいまわしにされる」など、スタッフの接客態度や対応の面でもお客様の負担が大きくなると顧客努力指数(CES)が悪化します。
どちらのパターンでも顧客努力指数(CES)が悪化していくと、比例した形で顧客満足度(CS)や顧客推奨度(NPS)が悪化しお客様の定着率が下がって行きますので、注意が必要です。
顧客努力指数(CES)を改善する3つのポイント
顧客努力指数(CES)を改善を目指すうえで、最低限行っておきたい改善は下記3つです。
- 商品やサービスのコミュニケーションや機能を必要なものに絞り簡潔に整理する
- お客様が自己解決できるようFAQやマニュアルなどを用意する
- お客様がきがるに聞くことができる環境(チャットボットやコールセンターなど)を用意する
上記3つを実施しているにも関わらず顧客努力指数(CES)が良くない状態であれば、調査結果を元にお客様が本当に
- しんどい
- 面倒くさい
- 分かり辛い
- 使い辛い
- 意味が分からない
などの感情を抱いたポイントを洗い出しましょう。
これらを一つずつ改善することで、顧客努力指数(CES)を効果的に改善することができます。
顧客努力指数(CES)を改善するには顧客満足度などと同じく現状把握から!
自社の商品やサービスの顧客努力指数(CES)を改善するには、まずは現状を正確に把握することが大切です。
- 初回利用率
- 顧客定着率
- LTV
などが低いと感じる場合、顧客努力指数(CES)を取ってみると良いでしょう。
すでに顧客満足度(CS)調査を行っていたり、お客様へのアンケートを実施できる場合には、その場を使ってアンケート調査を行い出てきた結果から改善すべきポイントを洗い出しましょう。
自社の商品やサービスにはまだまだたくさんの改善箇所があるから、お客様にアンケートで聞くまでもない。
と思っていても、実際にお客様が気になったポイントと、自分達で気づいているポイントは異なるもの。
商品やサービスの改善を止めないためにも、定期的な調査と分析を続けることをおすすめします。
まとめ
顧客努顧客努力指数(CES)とは、お客様が実際に商品やサービスを体験する際、どの程度「努力」が必要だったかを数値で表したものです。
お客様が利用時に努力が必要と言うことは、
- メニューから自分が欲しい商品を見つけるのが大変
- タブレット端末やECサイトなどで注文する際の手間(会員登録など)が標準化されていない
- どうやればいいか聞ける窓口やスタッフがいない
- 購入した商品の正しい使い方が分からず使用できない
など、書いているだけでも「イライラするだろうなー」と思う通り、商品やサービスを利用するときにストレスを感じていると言うことです。
CESは顧客努力指数の名の通り、顧客がサービスを使うのにどれだけ努力が必要だったか?を見るための指標です。
顧客満足度(CS)や顧客推奨度(NPS)が低かった場合に原因を掘っていくと、お客様がサービスを受ける過程の顧客努力指数(CES)が高かったなど、関連性の高い指標であると言えます。
顧客努力指数(CES)を追いかける理由は二点。
- 新規のお客様がどこで多く断念するか?苦労するか?を把握する
- お客様に商品やサービスに定着(リテンション)してもらうため
リテンション率を上げ、一人のお客様と商品やサービスが長く付き合っていくためにも、顧客努力指数(CES)を計測し、お客様に努力させてしまっている箇所を改善していく必要があります。
また、顧客努力指数(CES)は様々な業種業態でお客様のリピート利用に繋がる課題を解決することに繋がります。
顧客努力指数(CES)を測るには、下記の二つの方法がおすすめです。
- 7段階のアンケートで調査
- ユーザーインタビューで聞く
アンケートで調査を行う場合には上記の7段階のアンケート以外にも、5段階評価の顧客満足度(CS)調査や、10~11段階使う顧客推奨度(NPS)調査を応用するのも良いでしょう。
顧客努力指数(CES)が悪化する理由は大きく二つに分けられます。
- 商品やサービスそのものへの不満
- スタッフの接客や対応への不満
お客様が定着してくれないのは商品やサービス自体がよくないのか?それともスタッフの対応がよくないのか?間違えたまま改善活動を行わないためにも、一度アンケート調査を行い、正しい現状把握を行うことをおすすめします。
調査の結果洗い出された、お客様が本当に
- しんどい
- 面倒くさい
- 分かり辛い
- 使い辛い
- 意味が分からない
と言った感情を抱いたポイントを改善することで、顧客努力指数(CES)の改善を効果的に実施することができます。