顧客満足度調査を覆面調査でやるにしろ店内アンケートでやるにしろ、
- アンケート作りで失敗したくない
- 聞きたいことの整理・設計が面倒
だから、テンプレートがあればテンプレートで対応したい。
と言う方も多いのではないでしょうか。
結論を言うと本当に効果的なアンケートを行うにはテンプレートでは足りませんが、最初の取っ掛かりを難しくし過ぎても意味がありません。
と言うことでこの記事では、顧客満足度調査を行う際の目的と手段の解説と合わせて、アンケートをやるなら聞いておくべき項目のリストをまとめていますので、ぜひご活用ください。
何のために顧客満足度調査を行うのか?目的を整理しよう
そもそもなんのためにアンケートで顧客満足度調査をやるんでしょうか?
まずはそこを整理することが大切です。
一般的に顧客満足度調査を実施する目的は大きく2つに分けられます。
- お店や商品のニーズや改善・新商品作りの
- 効率良くリピーターを獲得するための改善点の確認
細かくみていくともっと目的は細分化できるので、気になる方はこちらの記事にまとめているので見てみてください。
顧客満足度(CS)調査の主な目的とは?メリット・デメリットや進め方、注意点と合わせてご紹介
ノウハウやリソースがあるなら自分たちで、無いなら最初は外注しよう
顧客満足度調査は今ではGoogleフォームなどアンケートを無料で簡単に作れるようになったこともあり、自社でも外注でもどちらでも比較的簡単に行うことができます。
しかし、アンケート調査はアンケートを実施することが目的ではないはずです。
- 課題は見つかったが次に何をやればいいか分からない
- アンケート結果を見ても、ふーん。知ってたけどね。で終わってしまう
- ニーズは分かったが対策の取りようがない
など、次につながることなく終わってしまってはもったいない。
必ず集計や分析、さらにその結果をもとにどう施策に落とし込むか?など、アンケート調査実施後の動きも検討した上で調査を行いましょう。
そのためもし自社内にノウハウやリソースが無いという場合には、まず外部企業にお願いしアンケートの設計からその後の現場への反映まで含めての型を作る方が効率的なのでおすすめします。
もちろん予算との相談になると思いますが、
- 経験豊富な知見からアドバイスが欲しい
- 実際にどういうケースに使えるのか知りたい
- 自分達の業種や規模でもやるべきなのか?
と言った場合には、一度ファンくるまでご相談ください。
顧客満足度を調べる4つの方法
顧客満足度(CS)調査の方法は多くありますが、ポイントを整理すると下記4つとなります。
- インターネットで行うアンケート調査
- 対面で行うインタビュー
- 電話で行うインタビュー
- 郵送で行うアンケート調査
4つ選択肢はありますが、実際にはインターネットで行うアンケート調査と対面で行うインタビューの2つがよく利用されています。
老齢の方を対象とする調査の場合はまだ電話や郵送も有効かもしれませんが、60代以下に対する調査ではインターネットを使ったものが回答数も集めやすく、回答者の負担も小さく抑えることができます。
また、お店へ来店した方へのアンケートの場合でも、その後の集計の手間や感染症対策などを考慮して、二次元コードや注文用のタブレットなどからデジタルのアンケートフォームで回答させるケースが増えています。
一度に実施する調査は1つに絞る方がよい
同時に2つ以上の方法で調査を実施してしまうと、
- 数が集まらない
- 整合性が取れない
- 設計や分析のコストが掛かりすぎる
と言った問題がおきますので、実施する際にはどれか一つを選ぶ方が良いでしょう。
一回目は広くアンケートでお客様の傾向値を確認し、二回目はインタビューでより深く聞き出すなど調査の目的や状況に応じた使い分けが有効です。
テンプレ通りのアンケートでは聞きたいことが聞き出せないこともある
アンケート調査を行うにあたってこの記事を読まれている方は、
- アンケート作りで失敗したくないから、テンプレートがあればそれで実施したい
- アンケートの設計が面倒だから、テンプレートがあればそれで実施したい
と言った思いがあるのではないでしょうか。
間違いではありませんが、たくさんのアンケートを実施してきた経験から言えることとしては、得たい情報を得るためにはテンプレート通りのアンケートだけでは難しいです。
知りたいことを聞くためにはテンプレートでは足りない
理由は簡単で、前提とする条件が会社や商品単位で異なるので、同じことを聞いたときに出てくる結果の意味が変わって来てしまうからです。
- 飲食店で同じカフェ業態でも、猫カフェと喫茶店では聞くべきことが違う
- 美容院でもお客様の世代や経済条件が違う店舗では聞くべきことが違う
- 他社のアンケートをそのまま流用するなど店舗のコンセプトとズレた状態を理想としたアンケートでは、そもそものコンセプトや普段の取り組みを否定することになる
など、同じ業種や業態であっても聞くべきことは変わってきます。
テンプレートはあくまで参考としつつ、目的に応じて聞くべきことを聞こう
個人の属性を聞き出す程度やNPSなど決まった指標を取るためのアンケートは、確かにテンプレートでも十分対応できるでしょう。
しかし、
- お店や商品の改善点を洗い出したい
- お店や商品の強み・弱みの把握したい
など、お店や商品に対してのより具体的な傾向や意見を調査するためには、テンプレートだけでなく必要な情報を聞き出す設問を入れることが大切です。
飲食店、美容院、不動産仲介業など、同じ業界内でも会社によって力を入れている要素は違っているはず。
自社の取り組みを正しく評価できるような設問を使ったアンケートを設計することが大切です。
ファンくるのアンケートは自社の状況に合わせてカスタマイズできる
ファンくるのアンケートは、テンプレートで簡単にすぐに始めることもできるし、貴社のお店や商品の状況に合わせて細かく調整・カスタマイズすることもできます。
アンケート設問の設計・作成の際には経験豊富な弊社スタッフが丁寧にお手伝いさせていただきますので、詳しく話を聞いてみたいという方は一度ご相談ください。
設問は調査の目的に合わせて設計し、30問以内程度に抑える
アンケート調査を行う場合に、対象者に提示できる回答方法は3つしかありません。
- 選択式
- 記述式
- ミックス型
上記3つのパターンの中から、最適なものを使ってアンケートを作りましょう。
定量的に意見を集めたいなら「選択式」
定量的に意見を集めたい、回答率を上げたい場合には「選択式」の設問を入れるのが良いでしょう。
選択式の設問は、回答の手間が少なくなることもあり回答率が上がります。
そのため多くの意見を集めて、全体の傾向値などを際にとても有効です。
スライダー、プルダウン、ラジオボタンなど見せ方は様々ありますが、スライダーやラジオボタンタイプなどの回答の手間が少ない方法をおすすめします。
一方で選択式の設問の弱点も当然あり、
- 回答選択肢が縦に並んでいる場合上の方にある選択肢が選ばれやすい傾向がある
- 回答選択肢が多すぎると無難に「普通」などが選ばれやすくなる
- 全体の傾向は取れるが、詳しい情報は取れない
など、簡単に回答ができるからこそ適当に答えられてしまう(すべての回答で番先頭の選択肢を選ばれてしまうなど)可能性もあります。
より深い意見を集めたいなら「記述式」
定性的な意見、より深く意見を集めたい場合には「記述式」の設問を入れましょう。
記述してもらうことで、回答者が感じたことなどを細かく吸い上げることができるため、具体的な情報を集めることができます。
一方で、記述式の弱点は入力の手間による回答率の低さと、その後の集計、分析の大変さとなります。
- とても美味しかったです
- めっちゃくちゃうまかったです
同じことを書いていますが、後から集計する際には同じ文言に整理してあげる必要があります。
100件くらいの回答数ならまだ対応できますが、これが5,000件や10,000件となってくると、その調整を行うだけでそれなりに時間が掛かることは容易に想像できるかと思います。
なので、すべてを記述式で行うのは正直オススメできません。
定量的に聞きつく深く聞き出すならミックス型
一番使われる形式としては設問式と記述式を併用するミックス型でしょう。
NPSを聞くケースでも
- お店をご家族やお友達にご紹介いただけますか?(7段階など選択式)
- 上記回答の理由を教えて下さい(記述式)
など、選択式と記述式を同時に使うことで一度の調査で傾向と理由を確認しているケースが多く見られます。
ただし、すべての設問を選択式と記述式で行ってしまうと、設問の数が増えすぎて入力の手間が増えてしまいます。
するとアンケートの回答率が下がることに繋がってしまいますので、全体の設問数に注意しながらバランスよく配置しましょう。
設問数は多くても30問程度を目安に実施
デジタルでのアンケート調査の場合、電話や郵送、対面でのインタビューと比べると設問数を増やすことが容易です。
なんなら聞きたいことを全て詰め込んだアンケートも作れるでしょう。
ですが、設問数が多すぎるアンケートでは回答する側の手間が大きくなることにより回答率、送信率が大きく下がります。
多くても30問程度を目安とし、より回答率を上げるためには設問数は15問~25問程度に抑えるのがよいでしょう。
いや、20問じゃぜんぜん聞きたいこと聞けないんですけど?
そのような場合、回答率は下がりますがもちろん100問などを聞くことも可能です。
しかし、回答率を下げないために、例えば飲食店であれば半額クーポンを提供する、美容院であればカット分の料金は無料でOKなど、より大きなインセンティブが必要になります。
改ページで1ページ辺りの設問数を少なく見せると言う手もありますが、回答者の立場になって考えると「何ページあんのこれ!?」となって途中で回答を止めてしまうことは容易に想像できるのではないでしょうか。
お客様の誠実な素直な意見が欲しいときほど、要点をしっかり絞って設問数を抑えたアンケートで調査することが大切です。
(設問項目リスト)顧客満足度調査を行う際に聞いた方が良いこと
初めて顧客満足度調査を行うなら、下記の内容を聞いてみてください。
QSCAの観点、NPSの観点、現場スタッフの従業員満足度への対処設問も含んでいますので、初めて調査を行う際にはそのままお使いいただいても十分かと思います。
- 回答者の性別(選択式)
- 回答者の年齢(選択式)
- 回答者の居住地域(選択式)
- 回答者の職業(選択式)
- お店や商品を知ったきっかけ(選択式)
- お店や商品の満足度(選択式)
- 評価の理由(記述式)
- 接客の満足度(選択式)
- 評価の理由(記述式)
- お店や商品の清潔さへの満足度(選択式)
- 評価の理由(記述式)
- お店や商品の雰囲気への満足度(選択式)
- 評価の理由(記述式)
- 他のお店や商品との比較(価格、ボリューム、味、クオリティなど:選択式)
- 良い印象のスタッフについて(スタッフの名前が分かる場合は名前がより良いが特徴でもよし:記述式)
- 総合的なお店への満足度(選択式)
- 総合評価の理由(記述式)
- 友人やご家族への推奨度(NPS:選択式)
- 推奨評価の理由(記述式)
- お店や商品に対するご意見、ご要望(記述式)
合計20問ほどの設問になりますが、これらの項目をアンケートとして収集することで
- 共通してお客様の評価が良い・良くない要素は何か?
- 何を改善することでよりお客様は知人や家族へ紹介してくれるのか?
- 現場で頑張っているスタッフは誰なのか?
- 本人の満足度と推奨度にズレがある場合は要因は何か?
と言ったことを確認できるはずです。
より詳細な内容を調査したい場合、どこに課題が潜んでいるか当たりを付けた上で特化した別のアンケートを作成する(お料理に課題がありそうなら、お料理だけのアンケートを作成して実施する)ことで、より具体的な課題を洗い出すことができます。
また、上記リストはいろいろな業界(飲食店、美容院、エステなどのサービス業全般から、小売店など流通業界、また、メーカーでのお客様へのアンケートなど)で応用してお使いいただけます。
お店や商品の全体像を把握する調査は定期的な実施がおすすめ
また、このような全体像を把握するアンケート調査はできれば毎月、最低でも3ヵ月に一度くらいのスパンで定期的に行うことをおすすめします。
定期的に行うことで、
- 新たな取り組みが満足度の向上につながっているという結果
- 急に落ちた要素への素早い対応
- スタッフ同士の意識の共通化
と言ったメリットが見られ、アンケートの結果に対しての取り組みでお店が良くなっている!という実感をより明確に得ることができます。
定期的に行う場合、アンケートの設計・作成・集計・分析と、当然ながら手間は増えます。
これらはもちろん売り上げを上げていくために大切なことではありますが、人材的に余裕がないと言うこともあるでしょう。
そんな場合はぜひ一度ファンくるへご相談ください。
定期的に・継続的にアンケート調査を行うにあたって、アンケートの設計・作成・集計・分析の手間を大きく省くことが可能です。
アンケートを作る際に一番大切なのは何のために調査するのか?
顧客満足度調査に限らず、アンケートを作る際に一番大切なのは、なんのためにアンケート調査を行うのか?目的を明確にすることです。
何のための調査なのか?を無視してテンプレートがこうだからなどでアンケートを実施してしまうと、
- 本当に聞きたいことが聞けずに終わった
- お店や商品のコンセプトを否定するような結果が集まってしまい、どうにも活用できない
と言ったことに繋がり勿体ないことになります。
調査のやり方、設問の数や聞く内容など、さまざまなテンプレートや方法がありますが、結局一番大切なのは何のために、誰に、何を聞くのか。
テンプレートを参考に使うのは良いですが、正しい設問を意識しすぎることなく
- 目的に合った内容を聞けているか?
- アンケートを回収した後、どういう選択肢があるのか?
を意識してアンケートを作りましょう。
また、アンケートを作る際には一度に多くを聞くのではなく、まずは全体を聞いて状況を把握した上で個別のアンケートを作って深堀していくと良いでしょう。
全体の状況を確認するアンケートは、満足度やNPSの推移を追うためにも、定期的(理想は毎月、3ヵ月に一度くらいはやったほうが良い)に実施しましょう。
その推移を追いかけることで、急な変化にも素早く対応することができたり、自分達の取り組みが間違いじゃない(良いお店になっている)と言う実感を得ることに繋がりおすすめです。