売り場作りのコツ|売れる陳列の作り方を徹底解説

売り場作りのコツ|売れる陳列の作り方を徹底解説 経営・店舗運営ノウハウ
売り場作りのコツ|売れる陳列の作り方を徹底解説

売上向上を目指す担当者にとって、効果的な売り場作りは重要な課題です。

この記事では、売れる売り場作りのコツについて、基本的な考え方から具体的な陳列テクニック、日々のメンテナンス方法までを網羅的に解説します。

多様な商品が並ぶ中で自社商品を選んでもらうためには、戦略的なアプローチが不可欠です。
実践的ですぐに役立つノウハウを提供します。

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  1. なぜ今、メーカー主導の売り場作りが重要なのか
    1. 顧客の購買意欲を刺激する売り場の役割
    2. 店舗と協力して売上を伸ばすための取り組み
  2. 売れる売り場作りに欠かせない基本的な考え方
    1. 売上の方程式から導き出す効果的なアプローチ
    2. 商品の価値を伝えるマーチャンダイジングの視点
    3. 顧客の視覚に訴えるビジュアルマーチャンダイジング(VMD)
    4. 一つ目はVP(ビジュアル・プレゼンテーション)
    5. 二つ目はPP(ポイント・オブ・セールス・プレゼンテーション)
    6. 三つ目はIP(アイテム・プレゼンテーション)
  3. 【場所別】各売り場の特徴を活かした陳列のポイント
    1. 定番売り場:日々のメンテナンスで機会損失を防ぐ方法
    2. 催事・エンド売り場:衝動買いを誘うインパクトのある演出術
    3. フロア什器・ハンガー什器:限られた空間で商品を効果的に見せる工夫
  4. 今日から使える!顧客の心を掴む商品陳列テクニック
    1. 関連商品を提案するクロスマーチャンダイジング
    2. ライフスタイルを想像させるテーマ陳列
    3. 顧客が商品を手に取りやすいゴールデンゾーンの活用法
    4. 配色を意識して商品の魅力を引き立てる陳列術
    5. POPや販促物で商品のメリットを分かりやすく伝える
  5. 売り場の質を維持するための巡回チェックポイント
    1. 商品は十分に補充され、きれいに前出しされているか
    2. 販促物は適切な場所に正しく設置されているか
    3. 値札は見やすく正確に表示されているか
  6. まとめ

なぜ今、メーカー主導の売り場作りが重要なのか

市場に商品が溢れ、顧客の購買行動も多様化する現代において、商品をただ店頭に並べるだけでは売上を伸ばすことが難しくなっています。

顧客が最終的に購買を決定する売り場は、マーケティング活動における最後の接点であり、その重要性はますます高まっています。

メーカーが主体的に売り場作りに関与し、自社商品の魅力や価値を直接顧客に伝えることで、競合との差別化を図り、販売機会を最大化することが求められます。

顧客の購買意欲を刺激する売り場の役割

売り場とは、単に商品を陳列し販売する物理的な空間ではありません。

顧客に対して商品の価値を伝え、ブランドの世界観を体験してもらい、購買意欲を喚起するコミュニケーションの場としての役割を持ちます。

顧客は売り場で商品を初めて認知し、興味を持ち、他の商品と比較検討した上で購入に至るという意思決定プロセスを辿ります。

そのため、商品の魅力を最大限に引き出す陳列や演出によって、顧客の感情に訴えかけ、購買行動を後押しすることが可能です。

効果的な売り場は、顧客との関係を築き、ブランドへのロイヤルティを高めるメディアとしても機能します。

店舗と協力して売上を伸ばすための取り組み

メーカーと小売店が協力して売り場作りに取り組むことは、双方にとって大きなメリットがあります。

メーカーは商品に関する専門知識や市場データを提供し、小売店は地域の顧客層や販売動向といった現場の知見を共有します。
これらの情報を組み合わせることで、より顧客ニーズに合った、効果的な販売戦略を立てることが可能になります。

具体的には、共同での販促キャンペーンの企画、ラウンダーによる定期的な店舗巡回と売り場改善提案、小売店の販売スタッフへの商品勉強会の実施などが挙げられます。

強固なパートナーシップを築き、一体となって販売促進活動を行うことが、継続的な売上向上に繋がります。

売れる売り場作りに欠かせない基本的な考え方

売れる売り場を構築するためには、感覚だけに頼るのではなく、論理に基づいた基本的な考え方を理解しておくことが不可欠です。

売上を構成する要素を分解してアプローチする方法や、商品の価値を的確に伝えるマーチャンダイジング、そして顧客の視覚に訴えかけるビジュアルマーチャンダイジング(VMD)は、売り場作りの基本の基本となる重要な視点です。

これらの土台となる考え方を学ぶことで、より戦略的で効果の高い売り場作りが可能になります。

売上の方程式から導き出す効果的なアプローチ

売上は一般的に「客数×客単価」または「客数×客単価×購買頻度」という方程式で表されることが多く、販売戦略を立てる上で重要な指標となります。

この各要素を向上させる施策を考えることが、売れる売り場を作るためには有効です。
例えば、客数を増やすには、顧客の入店を促す魅力的なディスプレイや店頭でのイベントが考えられます。

買上率を高めるためには、商品を手に取りやすく、比較検討しやすい陳列を工夫する必要があります。
客単価を上げるには、関連商品をまとめて陳列するクロスマーチャンダイジングや、より付加価値の高い商品を提案するアップセリングが効果的です。

この方程式を意識することで、売り場が抱える課題を特定し、目的を明確にした上で具体的な改善策を講じられます。

商品の価値を伝えるマーチャンダイジングの視点

マーチャンダイジングとは、商品を顧客に購入してもらうための一連の戦略的な活動を指します。

売り場作りのポイントは、「適切な商品を、適切な場所・時期・数量・価格で提供する」というマーチャンダイジングの基本原則に基づいています。

これを実現するためには、まずターゲット顧客のニーズを正確に把握し、それに合致した品揃えを計画することが重要です。

さらに、販売データに基づいた需要予測を行い、欠品による機会損失と過剰在庫によるコスト増加を防ぐための適切な在庫管理が求められます。

価格設定や販売促進計画もこの一環であり、これら全ての要素を連動させた総合的な視点を持つことが不可欠です。

顧客の視覚に訴えるビジュアルマーチャンダイジング(VMD)

ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)は、売り場全体の視覚的な演出を通して、ブランドのコンセプトや商品の魅力を伝え、顧客の購買意欲を高める手法です。

VMDは主に3つの要素で構成されます。

一つ目はVP(ビジュアル・プレゼンテーション)

店舗の入り口やメイン通路に設置され、顧客の目を引くためのディスプレイです。

二つ目はPP(ポイント・オブ・セールス・プレゼンテーション)

特定の商品群をアピールするためのディスプレイであり、商品の使用シーンなどを提案します。

三つ目はIP(アイテム・プレゼンテーション)

商品を分類・整理して陳列し、顧客が選びやすく手に取りやすいようにする役割を担います。

これら3つを連動させることで、魅力的で分かりやすい売り場が実現します。

【場所別】各売り場の特徴を活かした陳列のポイント

店舗内には定番売り場やエンド、フロア什器など、それぞれ異なる役割を持つ場所が存在します。
これらの場所の特性を正確に理解し、目的に合わせた陳列を行うことが、売上を最大化する鍵となります。

顧客の動線や視線の動きを考慮し、各売り場のポテンシャルを最大限に引き出すことで、計画的な購買から衝動買いまで、あらゆる購買機会を創出することが可能です。

ここでは、場所ごとの特徴に応じた効果的な陳列のポイントを解説します。

定番売り場:日々のメンテナンスで機会損失を防ぐ方法

定番売り場は、指名買いの顧客が訪れることが多く、常に商品が整然と並び、在庫が確保されている状態が求められます。

メンテナンスの基本は、商品の前出し(フェイシング)を徹底し、棚にボリューム感を出すことです。
商品が棚の奥にあると在庫が少なく見え、購買意欲を低下させる原因となります。

また、商品のフェイス(正面)を顧客側に向けてきれいに整列させる工夫も重要です。
これにより、顧客は商品情報を素早く認識でき、選びやすくなります。

定期的な清掃やPOPの点検、そして何よりも欠品を発生させないための在庫管理を徹底することが、定番売り場での安定した売上を支える基盤となります。

催事・エンド売り場:衝動買いを誘うインパクトのある演出術

主通路の突き当たりに位置するエンドや催事スペースは、店舗内で最も顧客の注目を集めやすい場所です。

ここでは、季節商品や新商品、重点商品などを展開し、計画的ではなかった購買、いわゆる衝動買いを誘うような演出が効果的です。

例えば、商品を高く積み上げる大量陳列は、ボリューム感とお得感を演出し、顧客の足を止める力があります。

また、季節感のある装飾や照明、動きのあるPOPなどを活用し、売り場全体でテーマ性を表現することで、より目立つ空間を作り出せます。

エンドで展開する商品は定期的に入れ替え、顧客に常に新鮮な発見を提供し続けることが、売り場の魅力を維持する上で重要です。

フロア什器・ハンガー什器:限られた空間で商品を効果的に見せる工夫

フロア什器やハンガー什器は、定番棚以外の通路や空きスペースを活用して商品を展開する際に有効です。

これらの什器を配置する上で最も重要なのは、顧客の通行を妨げないレイアウトを心がけることです。
その上で、限られた空間で商品の魅力を最大限に伝える工夫が求められます。

例えば、フロア什器では、顧客の目線の高さに最も売りたい商品を配置し、その周辺に関連商品を展開するレイアウトが考えられます。

ハンガー什器であれば、商品を掛ける高さを変えてリズミカルに見せたり、異なるアイテムを組み合わせてコーディネート提案を行ったりすることが有効です。

什器のデザイン自体も売り場の雰囲気に影響するため、ブランドイメージに合ったものを選定します。

今日から使える!顧客の心を掴む商品陳列テクニック

売り場の魅力を高め、最終的に売上へと繋げるためには、理論だけでなく具体的な陳列テクニックを実践することが重要です。

顧客の購買心理や行動パターンに基づいたテクニックを活用することで、商品の価値をより効果的に伝え、購買意欲を刺激できます。

ここでは、関連商品の提案からライフスタイルの演出、人間の視線の動きや色彩心理を利用した方法まで、すぐに現場で応用できる商品陳列のコツを具体的に紹介します。

関連商品を提案するクロスマーチャンダイジング

クロスマーチャンダイジングは、ある商品に関連する別の商品を同じ場所で陳列し、ついで買いを促す手法です。
これにより、顧客一人あたりの購入点数が増え、客単価の向上が期待できます。

例えば、精肉売り場で焼肉のたれやサンチュを一緒に販売したり、ワインの隣にチーズやグラスを置いたりするのが代表的な例です。

化粧品売り場であれば、化粧水の近くにコットンや乳液を配置することで、ライン使いを提案できます。

このテクニックを成功させるには、顧客が商品をどのように使用するかを深く理解し、自然な文脈で関連商品を手に取れるような組み合わせと配置を考えることが重要です。

ライフスタイルを想像させるテーマ陳列

テーマ陳列は、特定の商品カテゴリーで商品をまとめるのではなく、「父の日」や「クリスマス」といったイベントや、「新生活応援」「アウトドアリビング」といったライフスタイルなど、特定のテーマに沿って関連商品を集めて陳列する手法です。

これにより、顧客は商品の使用シーンを具体的にイメージしやすくなり、購買意欲が高まります。
例えば、「母の日」というテーマであれば、エプロン、キッチンツール、ハンドクリーム、カーネーションなどを一つの売り場で展開します。

個々の商品を単体で見るよりも、テーマに沿った世界観の中で見ることで商品の魅力が増し、ギフト需要などにも応えやすくなります。

顧客が商品を手に取りやすいゴールデンゾーンの活用法

ゴールデンゾーンとは、顧客が立った姿勢で商品を見つけやすく、手に取りやすい高さの範囲を指します。
この範囲は一般的に床から約75cmから150cmとされており、顧客の身長や性別、陳列什器の種類、通路の幅によって最適な高さが変動します。

このエリアは、売り場で最も売上が期待できる場所であるため、特に販売を強化したい新商品や利益率の高い商品を配置することが効果的な陳列方法とされています。

ゴールデンゾーンを最大限に活用するには、ターゲット顧客の身長を考慮することが重要です。
例えば、子供向け商品の場合は、より低い位置に設定する必要があります。

また、このエリアに配置する商品のフェイス数(陳列する商品の数)を増やすことで、視認性を高め、競合商品よりも目立たせるという戦略も有効です。

配色を意識して商品の魅力を引き立てる陳列術

色彩は売り場の雰囲気や商品の印象を大きく左右し、顧客の心理にも影響を与える要素です。
配色を戦略的に活用することで、商品をより魅力的に見せ、顧客の目を引く売り場を作れます。

例えば、同じ色調の商品をまとめて陳列すると、統一感が生まれ洗練された印象を与えます。

逆に、補色関係にある色を隣り合わせに配置すると、互いの色が引き立ち、強いインパクトを生み出せます。

また、暖色系の色は活気や親しみやすさを、寒色系の色は清潔感や信頼感を演出する効果があるため、商品のイメージに合わせて使い分けることも有効です。

色のグラデーションを利用して商品を並べる方法は、視覚的な楽しさを提供し、顧客の興味を引きつけます。

POPや販促物で商品のメリットを分かりやすく伝える

POPやポスターなどの販促物は、販売員に代わって商品の魅力を顧客に伝える「声なきセールスマン」の役割を果たします。

商品のパッケージだけでは伝えきれない特徴や使い方、開発背景などの情報を補足することで、顧客の理解を深め、購買への最後の一押しをします。

効果的なPOPを作成するためには、ターゲット顧客の心に響くキャッチコピーを考え、一目で内容が理解できるよう情報を簡潔にまとめることが重要です。

価格情報だけでなく、「この商品を使うことでどのような良いことがあるか」という顧客にとってのメリットを具体的に示すことで、説得力が高まります。

売り場の質を維持するための巡回チェックポイント

一度効果的な売り場を構築しても、その品質を維持できなければ継続的な売上向上は望めません。
日々の営業活動の中で陳列の乱れや欠品は必ず発生するため、定期的な巡回とメンテナンスが極めて重要です。

特に複数の店舗を担当するメーカーの営業担当者やラウンダーにとっては、限られた時間の中で効率的に売り場の状態を把握し、迅速に改善策を講じるスキルが求められます。

ここでは、売り場の質を高く保つために巡回時に確認すべき具体的なポイントを解説します。

商品は十分に補充され、きれいに前出しされているか

売り場メンテナンスの基本であり、最も重要なのが商品の補充と前出し(フェイシング)です。
棚に商品の空きスペースが目立ったり、商品が奥に引っ込んでいたりすると、品薄な印象を与え、顧客の購買意欲を削いでしまいます。

欠品は販売機会の直接的な損失となるため、バックヤードの在庫状況を確認し、速やかに店頭へ補充することが不可欠です。

前出しを行う際は、ただ商品を棚の前面に移動させるだけでなく、商品のフェイス(正面)を顧客に向け、向きを揃えてきれいに整列させます。

この地道な作業を徹底することが、活気があり魅力的な売り場を維持する上での基礎となります。

販促物は適切な場所に正しく設置されているか

POPやポスター、のぼりといった販促物は、商品の魅力を伝え、キャンペーン情報を告知するための重要なツールです。
巡回時には、これらの販促物が本来の目的通りに機能しているかを確認する必要があります。

まず、キャンペーン期間や対象商品と販促物の内容が一致しているか、正しい商品の近くに設置されているかをチェックします。

また、破損や汚れ、色褪せなどがないかも確認し、古いものや傷んだものは速やかに交換・撤去します。

販促物を含めた売り場全体のディスプレイが、常に最新かつ最適な状態に保たれているかという視点で点検することが、ブランドイメージと店舗の信頼性を守る上で求められます。

値札は見やすく正確に表示されているか

値札は、顧客が購買を決定する際の最終的な判断材料となる極めて重要な情報です。
そのため、値札が見やすく、正確に表示されていることは、売り場作りの基本の基本です。

巡回時には、商品と値札が一対一で対応しているか、表示価格に誤りがないかを必ず確認します。

特にセールや価格改定があった際には、古い値札が残っていないか、二重価格表示になっていないかを注意深くチェックします。

また、値札が汚れていたり、折れ曲がっていたり、他の商品に隠れて見えにくくなっていたりしないかも点検し、問題があればすぐに修正します。

顧客が価格をストレスなく確認できる環境を整えることが、信頼される売り場の前提条件です。

まとめ

売れる売り場作りとは、単に商品を美しく陳列する作業ではなく、顧客心理や購買行動に基づいた戦略的な活動です。

本記事で紹介した売り場作りのコツは、売上の方程式といった基本的な考え方から、具体的な陳列テクニック、そして売り場の質を維持するための巡回ポイントまで多岐にわたります。

これらの知識を活用し、自社の商品特性や店舗の状況に応じて実践することが、顧客にとって魅力的で買いやすい売り場の実現につながります。

最も重要なのは、一度作った売り場に満足せず、販売データや顧客の反応を分析し、継続的に改善を重ねていく姿勢です。

この地道な取り組みこそが、持続的な売上向上をもたらす鍵となります。

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