企業活動を安定させ顧客満足度(CS)を上げていくには従業員満足度(ES)の向上が欠かせません。
従業員満足度(ES)は、上げることで
- 従業員の定着率の向上
- 生産性の向上
- 顧客満足度(CS)の向上
など、複数のメリットを企業にもたらします。
この記事では、
- なぜ従業員満足度(ES)の向上が顧客満足度(CS)の向上に繋がるのか分からない
- 以前取り組んだが上手くいかなかった
- ある従業員の希望に合わせたら全体的な満足度がむしろ悪化した
など、従業員満足度(ES)を向上させたいけど、いまいちよく分かっていない方のために、
- なぜ従業員満足度(ES)を上げたほうが良いのか?
- どうやって取り組めばよいのか?
- 取り組むときに気を付けるべきことは?
をまとめています。
顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)とは?
顧客満足度(CS)と従業員満足度(ES)。
違いは対象が「お客様」か「従業員」かだけです。
当然計測に当たって確認すべき項目や解決すべき課題や取り組み方は異なりますが、基本的にはターゲットが違う似たような指標と捉えて問題ないでしょう。
顧客満足度(CS)とは
CSとは顧客満足度(Customer Satisfaction:カスタマー・サティスファクション)を略したものです。
実際に商品やサービスを体験したお客様が、その商品やサービスの良し悪しだけでなく、さまざまな要素においてどれだけ満足したか?を指標化したものです。
顧客満足度は特定の要素だけでなく、複数の要素を含んでいます。
例えば飲食店で良く言われるのが「QSCA」。
- Q:クオリティー(品質)
- S:サービス(接客)
- C:クレンリネス(清潔さ)
- A:アトモスフィア(雰囲気)
各要素にお料理の味や店舗の備品の清潔さ・掃除状況などが含まれており、それらを一つ一つ改善することで顧客満足度の向上に繋げていきます。
詳しくは下記記事にまとめていますので、気になる方はご覧ください。
従業員満足度(ES)とは
ESとは従業員満足度(Enployee Satisfaction:エンプロイー・サティスファクション)を略したものです。
自社に勤める従業員が、会社や仕事に満足しているか?を測るための指標です。
従業員満足度も特定の要素、例えば支給する給与を上げるなどだけでは向上しません。
もらえる給料が安くなっても転職したいという方が後を絶たない企業があることが証明となっています。
- 評価制度や給与への不満
- 仕事の意義ややりがいを感じていない
- 職場での人間関係がギクシャクしている
- 企業文化に共感できていない
など、さまざまな要素によって構成されており、特定の課題を改善するだけでなく一つずつでも要素を改善していくことが従業員満足度(ES)の向上に繋がります。
顧客の満足度を上げるのは現場のスタッフ。彼らの満足なくして顧客満足度(CS)の向上は難しい
企業がお客様の満足度だけでなく、従業員満足度(ES)にも注目を始めた理由は、例えば以下のような状況からです。
- 定着率が低い&採用が難しいことによる慢性的な労働力不足
- 働く従業員の価値観の多様化
顧客満足度を上げるのは経営者ではなく商品やサービスを提供する現場の従業員です。
彼らが自身の置かれている状況に満足していない状況であれば、質の高い商品やサービスの提供を期待することはできません。
従業員満足度が低く定着率も低い職場では、常に新人やモチベーションの低いスタッフが顧客にサービスを提供することになります。
必然的に顧客を満足させることは難しい状況だと言えるでしょう。
従業員満足度(ES)を上げる企業メリット
従業員満足度(ES)を上げることでのメリットは顧客満足度(CS)の向上のみではありません。
従業員満足度(ES)が上がることで
- 長く働きたい!
- 会社とともに成長したい!
- よりお客様に笑顔になってほしい!
など、働く従業員のモチベーションに大きく寄与し自律的な行動を促進することに繋がります。
その結果として
- 人材の維持・定着、採用のしやすさ
- 勤務時のモチベーションの向上による生産性の向上
- 顧客満足度(CS)の向上
など、コストの削減や生産性の向上など企業にとってプラスを生み出す行動に繋がります。
従業員満足度(ES)が下がる企業のリスクは?
従業員満足度(ES)の改善への取り組みを行わなかった企業では、
- 不満による退職での人材不足と採用コストの増加
- 勤務へのモチベーションの低下による生産性の低下
- 社会的モラルの低下と職場の規律の低下
- 顧客満足度(CS)の低下
など、企業にとって歓迎し辛い行動に繋がってしまいます。
例えば
- 採用サイトへの不満口コミの投稿
- 業務への取り組み姿勢が悪くサボりはじめる
- 顧客情報の取り扱いが煩雑になる
など、企業コンプライアンスの違反と言った行為にも繋がり、取り返しのつかない事態となるリスクもあります。
そういった事態を避けるためにも近年では、従業員から選ばれる企業であるよう努めることが重要となっています。
従業員満足度(ES)を上げるために確認すべきこと
従業員満足度(ES)を上げると言っても、
- 評価制度や給与への不満
- 仕事の意義ややりがいを感じていない
- 職場での人間関係がギクシャクしている
- 企業文化に共感できていない
など複数の要素が含まれていることはすでにご説明の通りです。
それぞれに合わせた対策は異なりますので、職場での人間関係に問題を感じる従業員が多いのに、仕事の意義ややりがいを説き続けても満足度は上がりません。
どの取り組みが一番効果的に従業員満足度が高まるか?は現状を把握した上でないと判断できません。
従業員満足度調査サービスや匿名性を担保したアンケート調査を活用したり、覆面調査を使って現場の空気感を把握するなどを行い、必ず現状把握から始めましょう。
従業員満足度(ES)の向上は全社で取り組むのが近道
従業員満足度(ES)を上げる手順は以下の通りです。
- アンケートなどで従業員への調査を行う(経営者に対して、上司に対して、業務内容に対してなど)
- アンケート結果を元に取り組む課題を決め、改善活動を実施
- 定期的にアンケートなどで調査を行いPDCA
- 全社を巻き込んでの取り組みの実施
顧客満足度(CS)の向上の取り組みと同様に、的確な課題の把握と継続した改善活動、全社一丸となった取り組みが大切になります。
従業員の希望通りに整える=改善活動ではない
すべてを従業員の希望通りに変える必要はありません。
現状調査を行うことで出てきた問題を問題として捉えて改善を行う上で、
- 本当に会社として良い結果になるのか?
- その取り組みが、従業員全体の満足度向上に繋がるのか?
- 逆に満足度が下がってしまい、離れる人も出てくる
など、本当に会社や組織のためになるのかをよく検討した上で、取り組む・取り組まないを判断することが大切です。
まとめ
顧客満足度(CS)とは、Customer Satisfaction:カスタマー・サティスファクションを略したもので、実際に商品やサービスを体験したお客様が、その商品やサービスの良し悪しだけでなく、さまざまな要素においてどれだけ満足したか?を指標化したものです。
従業員満足度(ES)とは、Enployee Satisfaction:エンプロイー・サティスファクションを略したもので、自社に勤める従業員が、会社や仕事に満足しているか?を測るための指標です。
近年では
- 定着率が低い&採用が難しいことによる慢性的な労働力不足
- 働く従業員の価値観の多様化
などから、従業員満足度(ES)に注目する企業も多く出ています。
顧客満足度を上げるのは経営者ではなく商品やサービスを提供する現場の従業員です。
従業員満足度が低く定着率も低い職場では、常に新人やモチベーションの低いスタッフが顧客にサービスを提供することになり、顧客満足度の向上の難しさに繋がってしまいますので、従業員満足度(ES)を向上させる取り組みが大切となっています。
また、従業員満足度(ES)を向上させることで、
- 人材の維持・定着、採用のしやすさ
- 勤務時のモチベーションの向上による生産性の向上
- 顧客満足度(CS)の向上
など、コストの削減や生産性の向上など企業にとってプラスを生み出す行動に繋がります。
一方、従業員満足度(ES)を向上させる活動を怠ることで、
- 不満による退職での人材不足と採用コストの増加
- 勤務へのモチベーションの低下による生産性の低下
- 社会的モラルの低下と職場の規律の低下
- 顧客満足度(CS)の低下
など、企業にとって歓迎し辛い、コンプライアンスの違反と言った行為にも繋がり、取り返しのつかない事態となるリスクもあります。
そういった事態を避けるためにも近年では、従業員から選ばれる企業であるよう努めることが重要となっています。
従業員満足度(ES)を向上させる取り組みを行う際には、必ずアンケートなどを使った現状把握から始めましょう。
- 評価制度や給与への不満
- 仕事の意義ややりがいを感じていない
- 職場での人間関係がギクシャクしている
- 企業文化に共感できていない
など、どの課題に対する取り組みが一番効果的に従業員満足度が高まるか?は現状を把握した上でないと判断できません。
従業員満足度(ES)向上の取り組みは以下の手順で全社一丸となって取り組みましょう。
- アンケートなどで従業員への調査を行う(経営者に対して、上司に対して、業務内容に対してなど)
- アンケート結果を元に取り組む課題を決め、改善活動を実施
- 定期的にアンケートなどで調査を行いPDCA
- 全社を巻き込んでの取り組みの実施
顧客満足度(CS)の向上の取り組みと同様に、的確な課題の把握と継続した改善活動、全社一丸となった取り組みが大切になります。
全てを従業員の希望通りに変えることが改善活動ではありません。
現状調査を行うことで出てきた問題を問題として捉えて改善を行う上で、
- 本当に会社として良い結果になるのか?
- その取り組みが、従業員全体の満足度向上に繋がるのか?
- 逆に満足度が下がってしまい、離れる人も出てくる
など、本当に会社や組織のためになるのかをよく検討した上で、取り組む・取り組まないを判断することが大切です。