こんにちは!
多くのビジネスオーナーや経営者は、顧客からのリピート購買や口コミによる新規顧客獲得を追求し、競争力を高めるために日々努力されています。
しかし、顧客の心をつかみ、本当に満足させることは簡単ではありません。
よく起きるのが、魅力的品質を高めようと新しい商品を作ってみたものの、お客様が求めていたものは高次元の当たり前品質だったり、当たり前品質は高いが、魅力的品質を持った商品がなく伸び悩んでしまったり。
魅力的品質と当たり前品質の違いや、それぞれの重要性について詳細に理解されている方は多くないかもしれませんし、実際にそれを実現することは、例え深く理解している方でも簡単なことではありません。
この記事を読むことで、魅力的品質と当たり前品質の概念を深く理解し、それらをどのようにビジネスに活かすか?知ることができますので、自社の商品やお店に魅力的品質を持たせたいけど、どうすりゃいいんだ?とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
魅力的品質とは顧客の期待を超える付加価値や魅力
魅力的品質とは、製品やサービスが顧客に提供する期待以上の付加価値や魅力を指します。
これは、顧客の心をつかみ、満足感や感動を与える品質の要素です。
魅力的品質は、単なる製品やサービスの機能だけではなく、その背後にあるエモーショナルな要素や顧客体験に焦点を当てます。
魅力的品質はリピート獲得や競合差別化に置いて不可欠な品質
魅力的品質は、顧客の心を掴んでブランドの忠誠心を育む上で極めて重要です。
顧客が製品やサービスに感動し、満足することで、リピート購買や口コミによる新規顧客獲得につながります。
また、魅力的品質は競合他社から差別化するための重要な要素でもあります。
魅力的品質はデザイン、機能、サービスなどあらゆる面で提供できる
魅力的品質の具体例としては、製品のデザインや機能性、サービスの迅速な対応などが挙げられます。
例えば、高級車のエアロダイナミクスの設計や、高品質なカスタマーサポートの提供は、顧客に魅力的な体験を提供し、ブランド価値を向上させる一因となります。
- 飲食店だから何かこだわりのメニューを出すしかない!
- 美容室だから、カットの腕で勝負するしかない!
- ホテルだから温泉やプールで勝負するしかない!
と言うわけではありません。
貴社だからこそ提供できる魅力的品質は何のか?ぜひ柔軟にアイデアを出して創ってください。
当たり前品質とは最低限提供すべき基本的な品質
当たり前品質とは、製品やサービスが顧客に提供する基本的な品質水準のことを指します。
これは、顧客が当然期待する品質であり、製品やサービスが正常に機能し、基本的な要件を満たすことを意味します。
当たり前品質は、顧客が製品やサービスを利用する上で最低限求める基準となります。
当たり前品質の重要性
当たり前品質は、顧客の基本的な期待を満たすことで、信頼性や安心感を提供します。
顧客が製品やサービスに当たり前の品質を感じることで、満足度が向上し、リピート購買やブランドの信頼性が確保されます。
- 前のお客様の髪の毛が掃除されていない美容室
- 油でべとべとの机の飲食店
- ホテルの部屋がたばこ臭い
など、お客様が当たり前と思っている品質を提供できていないと、顧客満足度は下がり、リピートや口コミでの集客の可能性は低くなります。
当たり前品質を保つことは、お客様の不満や苦情を防ぎ、ネットやSNS上での口コミ評価のためにも重要です。
顧客満足度を高めるために、当たり前品質がなぜ大切か?についてはこちらの記事にまとめていますので、読んでみてください。
>>顧客満足度に「当たり前品質」はなぜ大切?正しく理解して、お客様に信頼されるサービス創りを
魅力的品質と当たり前品質の他にも品質の種類は複数ある
魅力的品質と当たり前品質に加えて、品質の種類はさまざまです。
ここでは、
- 一元的品質
- 無関心品質
- 感動品質
について説明します。
一元的品質とは?
一元的品質とは、製品やサービスの全体的な品質を指します。
これは、製品やサービスが基本的な要件を満たし、期待通りの機能性や信頼性を提供することを意味します。
例えば、製品が正常に動作し、サービスが予定通りに提供されることが一元的品質の重要な要素です。
顧客が製品やサービスに求める最低限の水準を確保することで、一元的品質は顧客満足度の基盤となります。
無関心品質とは?
無関心品質とは、顧客が特に意識せずに期待する品質を指します。
これは、製品やサービスの中で目立たない部分でありながら、顧客の満足度や信頼性に影響を与える要素です。
例えば、製品のパッケージの外観や説明書のわかりやすさが無関心品質の例です。
無関心品質は製品やサービス全体の品質体験に影響を与えるため、十分な注意を払う必要があります。
感動品質とは?
感動品質とは、顧客に感動や興奮を与える品質の要素を指します。
これは、製品やサービスが顧客の期待を超えて特別な価値や体験を提供することを意味します。
例えば、製品の革新性やサービスの個別化が感動品質の一例です。
感動品質は顧客の心を掴み、忠誠心を生み出すため、ビジネスにおいて重要な競争要素となります。
当たり前品質と魅力的品質はそもそも目的が違う
当たり前品質と魅力的品質の主な違いは、顧客の期待を満たすことと超えることにあります。
当たり前品質は、顧客が期待する基本的な品質であり、これを満たすことで不満を防ぎます。
一方、魅力的品質は期待以上の付加価値や感動を提供し、顧客の心を掴んで忠誠心を生み出します。
そう、当たり前品質を高めることと、魅力的品質を高めることは、そもそも目的が異なるのです。
そのため、集客のために魅力的品質を上げないと!など、なんとなくで取り組んではいけません。
まずは自社のお店やサービスの現状がどうなのか?
魅力的品質を高める段階なのか、それとも当たり前品質を高める段階なのかを把握した上でどちらに取り組むのかを決めることが大切です。
サービス品質の特性と要素
サービス品質を評価する際には、以下のような特性や要素が重要です。
可用性
サービスが利用可能な状態であることを指します。
お客様がサービスを必要とする時に、適切な方法でアクセスできることが必要です。
サービスを利用できる状態じゃない=当たり前品質とか以前の話なので、当たり前と思うかもしれませんが、この状態で魅力的品質を創ろうとしてはいけません。
外出先で地図を見たい!と言った際、パソコンでしか見れないリッチな地図を提供しても、お客様はすぐに利用はできません。
まずはお客様が商品やサービスを使いたい!と思ったときに、適切に利用できる状態を作りましょう。
アクセシビリティ
サービスが利用しやすい状態であることが重要です。
お客様がサービスを容易に利用できるよう、情報の提供や手続きの簡素化が求められます。
外出先で地図を見たい!と思った際、スマートフォンで簡単にアクセスできるのと、特定のエリアにしかないお店に入って、地図を見せてもらうのではサービス利用の難易度が大きく変わります。
できる範囲はありますが、できるだけお客様がサービスを簡単に受けられるような環境を整えましょう。
信頼性
サービスが安定して提供されることが重要です。
お客様がサービスに信頼を置き、安心して利用できるよう、安定性や障害対応の迅速さが求められます。
飲食店で誤ってガラスの器を割ってしまった際などに、おろおろとするだけでいつまでたっても片づけないお店だと、お客様は「ここのお店大丈夫かな?」と不安になります。
このように、サービスが安定して提供されることはとても重要な「品質」です。
品質一貫性
サービスが一貫して品質の高いレベルで提供されることが重要です。
お客様がサービスを利用する際に、一貫性のある品質を期待し、信頼できると感じることが重要です。
行く度に毎回味が違うラーメン屋があると、ちょっと怖いですよね。
毎回必ず美味しいなら良いのですが、良い日もあれば微妙な日もあるような状態だと自分自身も安心して通えないですし、人に紹介するなんてとんでもありません。
頻繁に新しいメニューを開発するのは魅力的品質に繋がるかもしれませんが、メインや定番の商品の品質は、一貫して高い状態を保つことが大切です。
顧客満足度向上
サービスが顧客の満足度を向上させることが重要です。
お客様がサービスを利用した際に、満足度が高まり、ポジティブな体験を得ることが重要です。
どうせ行くならいい体験をしたいと言うのがお客様の心情です。
- 料理はおいしかったけど接客がかなり微妙なレストラン
- カットの腕は凄い美容師だけど、次行ったときに全然違う髪型になってしまう(再現性がない)
- 接客はとてもいいけど、部屋にホコリがたまっているホテル
など、ポジティブな要素があっても肝心の当たり前品質を保てていないと顧客満足度は上がりません。
また、当然と言えば当然ですが、顧客満足度(CS)が高い商品やお店はそれだけ売り上げが上がるポジティブなサイクルを生み出すことができます。
こちらの記事で、顧客満足度と売上の相関性についてまとめていますので、お暇なときにご覧ください。
顧客関与
サービスとお客様との関係を強化することが重要です。
お客様がサービスに積極的に参加し、相互にコミュニケーションを取ることで、サービスの品質が向上します。
何も毎回お客様を集めて座談会をする必要はありません。
SNSや地図アプリ、メディアやECサイト・モールなどに投稿された口コミや感想を確認し、商品やサービスに反映していくだけでも実現できます。
より精緻な情報を集めたい場合には、ファンくるなどの調査サービスを使うことをおすすめします。
また、アンバサダー機能を設けることで、お客様が新しいお客様を連れてくると言ったケースもあります。
いずれにせよ、商品やサービスに関われることを自分達だけの聖域とせず、お客様の声も柔軟に取り込むことで、お客様とよりよい関係を創っていくことが大切です。
カスタマイズ可能性
サービスがお客様のニーズや要求に合わせてカスタマイズ可能であることは重要な要素です。
お客様が自分に合ったサービスを受けられることで、満足度が向上します。
例えば自動車などの製品は、色やオプションを付けることで完全に自由とはいきませんが、ある程度自分好みにカスタマイズすることができます。
また、飲食店でも卓上の塩・胡椒や、焼肉屋ならどのタレにつけてお肉を食べるか?など、小さくともカスタマイズができることはたくさんあります。
カスタマイズがすると言うことは、お客様が自分でこれがいいと選択しているということ。
それで満足な結果が得られれば、お客様の満足度も上がりやすくなります。
魅力的品質を創るなら、お客様のニーズ把握から始めよう
自社で魅力的品質を開発していくには、顧客のニーズを把握し、具体的な品質目標を設定することが重要です。
顧客のニーズを理解することで、魅力的な製品やサービスを提供する基盤が築かれます。
また、品質目標を設定することで、どのような品質レベルを達成したいのかが明確となり、作業を進める方向性を定めることができます。
さらに、製品やサービスの品質を向上させるためには、プロセスの改善が欠かせません。
効率的で効果的なプロセスを確立し、定期的に見直して改善を行うことで、顧客のニーズを満たすための努力が継続的に行われます。
従業員の教育と訓練も品質向上に欠かせません。
従業員が品質目標を理解し、それを実現するためのスキルや知識を身につけることで、品質向上に貢献します。
また、従業員が積極的に取り組むことで、サービス提供の質が向上し、顧客満足度が高まります。
最後に、顧客や従業員からのフィードバックを収集し、活用することも重要です。
顧客の声や市場の動向に敏感に反応し、製品やサービスを改善していくことで、魅力的な品質を維持・向上させることが可能です。
これらのステップを追うことで、魅力的な品質を実現し、顧客満足度を高めることができます。
まとめ
魅力的品質とは、製品やサービスが顧客の期待を超える付加価値や魅力を提供することです。
これは、顧客の心をつかみ、満足感や感動を与える品質の要素であり、リピート獲得や競合差別化に不可欠です。
具体例としては、製品のデザインや機能性、サービスの迅速な対応などがあります。
一方、当たり前品質は顧客の基本的な期待を満たす最低限の品質であり、信頼性や安心感を提供します。
顧客満足度を向上させるためには、両方の品質を適切に提供する必要があります。
そのためには、下記ステップを踏み、今手を付けるべき「品質」を改善していきましょう。
- 顧客のニーズを理解し
- 品質目標を設定し
- プロセスを改善し
- 従業員を教育・訓練し、フィードバックを活用する
これらのステップを踏むことで、魅力的な品質を実現し、顧客満足度を高めることができます。